内容説明
2009年から始まった裁判員制度。これによって選挙権のある人間のほとんどが裁判員の候補となる。多くの人が、そこで「人を裁く」という、あまりにも難しい問題に直面する。その指針となるのが「刑法」。本書は、あまりにもわかりやすい、刑法の入門書。
目次
序章 裁判員にとって必要な条文はこれだけ
第1章 「罪と罰」―「罪」の世界
第2章 正当防衛と緊急避難―許された殺人、許された傷害
第3章 犯罪の故意―微妙な内面の世界
第4章 責任能力―犯罪を犯していても無罪になる世界
第5章 未遂犯と中止犯―犯罪が中途半端に終わった場合
第6章 共犯―知られざる「共謀共同正犯」の世界
第7章 「罪と罰」―「罰」の世界
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てくてく
5
裁判員対象犯罪、犯罪の成立要件などについて、例題や実際の事件を挙げて解説している。かみくだき、というだけあって、深みはないが、高校生向けの話では活用できそうだと思った。2017/12/26
ラスコリ
0
裁判官といえども、人が人を裁くのには限界がある、刑法にも限界があると感じている。本当の事実とは違っていても、認定されたものが事実として扱われる裁判に裁判員制度を導入することに疑問を覚える。本書を読んで、いかに認定が難しく結論をだすのが難しいか分かる。裁判員って厳しいと逆に思わせてくれる本。2019/08/20