内容説明
ハーフの美男子なのに内気で、いまだチェリーボーイの大学生、克夫。憧れの先輩、舞子にデートに誘われたが、連れていかれたのはなんと短歌の会!? しかも舞子のそばには、メガネの似合うプレイボーイ、天才歌人の伊賀がいた。そして、彼らの騒々しい日々が始まった――。カフェの街、吉祥寺を舞台に、克夫と伊賀、2つの視点で描かれる青春ストーリー。人気歌人による初の長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りゅう☆
91
19歳大学生イケメンハーフチェリーボーイの国友と、かなり下半身のゆるい社会人25歳プレイボーイの伊賀視点の物語。元々短歌を作ってた伊賀は最近スランプ。伊賀の彼女で国友の大学の先輩舞子を通じて国友も短歌を作るようになる。本当に些細な日常の物語で、大きな事件が起きたり、インパクト強い何かがあったりするわけでもないのに、テンポよく進むストーリーや2人の心理状況が楽しくて。短歌ってよく分からないけど、作中短歌は全て実際に人が書いたものを引用って。それを小説の中に取り込み物語を作るってスゴイな。ラストの短歌一覧を→2020/07/16
扉のこちら側
77
初読。短歌に目覚めたハーフでイケメンだけど××な主人公と、スランプ気味のプレイボーイな先輩歌人の青春。短歌ってこんなに面白いんだ。登場人物の話にみんなオチがついたわけではないので、続きを読みたいと思った。2013/03/31
コットン
69
『セックスと挫折に満ちたストーリー お歌をまぶしお茶漬けの味』読後感があっさりしてるのに味わいがあり、食欲不振でも元気になる感じの青春小説feat. 短歌。お気に入りは「無理してる自分の無理も自分だと思う自分も無理する自分」「治りかけの傷のかゆみでまた君に懲りずに会いに行きそうになる」「ふれあったところがとけてどこまでが君か僕かがなくなればいい」「すじすじのうちわの狭い部分からのぞいた愛という愛ぜんぶ」2017/03/16
おくちゃん🌸柳緑花紅
68
読友さんのつぶやきがきっかけで手にしたけれど、「楽しんだ 楽しめました たっぷりと 楽しむ時間 楽しみに」甘酸っぱい1冊でした作中の短歌は実在する歌人の作品だとか....全部良かった!枡野浩一さんの歌に興味がわく☆2014/07/01
yanae
65
枡野さん。ドラえもん短歌に続いて2冊目は長編小説。歌人の書く長編小説ですが、枡野さんならではの本になってました。短歌の会に無理やり連れて行かれたチェリーボーイの「克夫」と、会で克夫の才能を見出したプレイボーイ「伊賀」の成長物語。作中、随所随所で心情を表した短歌が出てくる。これがとってもいい。複数の詠み人が出てくるので、書き分けるの大変だと思ったら、枡野さん作品だけではなくて、実在する他の短歌も引用していると。最終ページに短歌と詠み人一覧あり。とても楽しい作品でした。個人的にすごく好きな1冊でした。2017/02/05