内容説明
「東海道四谷怪談」「牡丹灯籠」をはじめ、日本を代表する怪談の多くは、小説や映画などに形を変えながら現代に息づいている。私たちの心の深層を揺さぶる物語の原点に返り、現代語訳のダイジェストで楽しむ傑作選!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tadashi Tanohata
22
「四谷怪談」「牡丹灯籠」「皿屋敷」「乳房榎」。多くの日本人は、ヒュードロドロの場面しか記憶にないが、映画になり小説になり現代に語り継がれる名作なんですよ。「日本人」を感じますよ。所縁の地を訪ねるのもありかな、とも。2019/02/02
花乃雪音
14
日本三大怪談に挙げられる「四谷怪談」「牡丹灯籠」「皿屋敷」に「乳房榎」を加えた4編を小説化したもの。「四谷怪談」は鶴屋南北作「東海道四谷怪談」、「牡丹灯籠」と「乳房榎」は三遊亭圓朝作、「皿屋敷」は『近世実録全書』所収「皿屋敷」(番町皿屋敷)に拠っている。淡々とした表現が多く見られ役者や噺家の見せ場と思われる所もあっさり話が進んでいるように感じられた。お岩が「累 かさね」の系譜に属し、嬰児を抱いて現れる産女(うぶめ)の怪異との関連も考えられる(出典『日本伝奇大辞典』)という解説は興味深かった。2019/11/18
犬養三千代
3
怪談。 欲と色そして建前と本音、義理と人情が交錯する人間模様。 怪異が恐ろしいのではなく、それを生み出す人間のおぞましさ、愚かさ、欲深さをあぶり出している。それにしてもこの四つの話のなかで四谷怪談の複雑さには驚かされた。2017/08/16
ひろ
2
ホラーや怪談を好みながら、未だ読むことなかった名作。難解な語句を省いてあったり、適宜説明が加えられていたりして読みやすかった。「四谷怪談」は京極夏彦氏の「嗤う伊右衛門」を既に読んでいたが、原典はかなり違うテイストであったことに驚いた。伊右衛門の非道っぷりが特に。全ての作品に共通して言えるが、結局は生きた人間の欲望が一番怖い。2012/01/08
緑
0
▼有名どころの怪談を押さえておきたくて購入。元が舞台向けなせいか、文章がとても淡白な印象だった。▼勧善懲悪というか、話の筋が似通っているのは当時の流行りなんだろうか。2014/09/02