文春文庫<br> 裁判長!ここは懲役4年でどうすか

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文春文庫
裁判長!ここは懲役4年でどうすか

  • 著者名:北尾トロ
  • 価格 ¥722(本体¥657)
  • 文藝春秋(2016/05発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167679965
  • NDC分類:327.6

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内容説明

ワイドショーも小説もぶっ飛ぶほど、リアルで面白いのがナマの裁判だ。しかもタダで誰でも傍聴できる、殺人、DV、詐欺、強姦事件……。突っ込みどころ満載の被告の弁明や、なんとも噛み合わない被告と弁護士、傍聴席に鈴なりの女子高生にハッスルする裁判官、有名漫画家の男気ある証人ぶり、ヒトゴトじゃないと思う切実な事件。「こいつ、絶対やってるよ!」なんて心の中で叫びつつ、楽しく通った傑作裁判傍聴記。自筆のイラスト満載(法廷内は写真撮影不可のため)。

目次

こいつ、絶対やってるよ
絵に描いたように地味な女
仲間がほしい
被告の顔にドラマはあるか
被害者の気持ちなど考えたこともない
そして田原は泣きじゃくった
息子は犬死にです
ぼくに謝られても
ダレまくりのオウム裁判
どこまでもダメな女
卑劣
阿修羅のヤス
なぜ露出なんだ?
リアルな離婚
ヤクザがいっぱい
そして被告は今日も寝ている
証人は不倫相手
被告たちの年末年始
裏口入学詐欺事件
母が娘を、妻が夫を葬り去った理由
裁判所の気になる人物図鑑
簡易裁判の味わい
外国人レイプ裁判
ロリコン男よどこへ行く
かくも不幸な人生

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

93
裁判の公判の傍聴記。被告と弁護士、検察官、裁判官による知られざる世界。何度も感じる被告席にいる男と傍聴席にいる自分とはそれ程の違いはないのではないかという思いや、逆にドクロのマークの服で謝られても誠意伝わらんわと突っ込み入れたり、馴染みのない世界を面白おかしく紹介している。どの裁判も、人間は自分でもわけのわからない部分があるということを、教えてくれているものなのかもしれません。今は裁判員制度が始まり、著者が取材した時とは裁判も変わっているかもしれませんが、人間の本性や本質は簡単には変わらないでしょう。2021/08/08

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

89
私は今まで裁判とは無縁の人生を歩んできた。裁判なんてドラマや映画の中の世界のことだ。そしてこれからもそうありたいと思っている。そんな私と同じような著者が何故か突如裁判に関心を持ち傍聴を続ける。新聞記者や法学部の学生ならともかく、傍聴マニアなんていう存在を初めて知った。普段無縁の裁判というものを身近に感じさせる為に面白おかしく書いているのだと思いたいが、裁判って人生を左右する重要な事。離婚やスキャンダルなど人の不幸を喜ぶテレビのワイドショーを見て喜ぶ人種と同じ匂いがして、不愉快に感じたのは事実である。★★2016/04/06

佐々陽太朗(K.Tsubota)

89
世の中には様々なマニアがいる。鉄道、バス、写真、古本、切手、居酒屋、魚、蝶、路地、坂道、etc.…… 対象が何であれ、それを深く愛してしまい、突き抜けてしまうとそこには深遠な世界がある。北尾氏は『傍聴マニア』である。裁判所には、一度覗いてしまうと止められなくなるむきだしの人間ドラマがある。かくいう私も昨年仕事がらみで大阪高裁で裁判を傍聴した経験があり、裁判所の面白さを垣間見てしまった。今は仕事が忙しく、自分に何の関係もない裁判を傍聴する暇などないが、年老いて仕事を辞めたら裁判所をうろつく予感がする。2009/12/08

眠たい治療家

88
北尾トロ氏の傍聴体験記。野次馬目線で全くの第三者立場から個人的好みや欲求を交えて書き綴る。被告の突っ込みたくなる様な弁明に笑い、開き直る被告に憤り、殺人、離婚、詐欺、強姦、露出など罪状による多種多様の案件ついて、それぞれの裁判の見どころなどを独自の目線で楽しんでいる様子が思い描ける。また、被害者と加害者だけでなく、裁判官、弁護士、検事など裁判所に関わる人達にも注目する好奇心に感心。様々な個性、人生が濃縮された裁判所というシアター。運転事故、業務上過失致死傷罪は一つ間違えれば、明日は我が身の可能性もある。2011/07/14

hatayan

83
2006年刊。裁判の傍聴にライターが2年間通い詰めた記録。 一見些末な事案にこそ、犯行に至るまでの葛藤や検察と弁護士との見えない駆け引きが。傍聴を重ねて被告人の顔に人生が凝縮されていることに気づいた著者は、外れない「コク」のある裁判を選ぶ眼を養っていきます。有罪判決を受けた被告人のなかには、釈放されても再犯を宣言する者、自分の状況がわからず贖罪の意志を示せない者も。『累犯障害者』で描かれていた、刑務所と外とを往復する累犯者は実在するようです。下ネタを忍ばせつつ建前を廃したエッセイとして記憶に残る一冊です。2020/08/11

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