内容説明
「気難しい読者をこれほど愉しませた時代小説はまれ」といわれる“隠し剣”シリーズ第2弾。山田洋次監督、木村拓哉主演の映画「武士の一分」原作となった「盲目剣谺返し」、呑んだくれ藩士の悲哀を描く「酒乱剣石割り」、醜男にもそれなりの女難あり、と語る「女難剣雷切り」、家中に名高い偏屈男がその偏屈をつらぬきとおす「偏屈剣蟇(ひき)ノ舌」、女好きで剣の精進を怠けた男が捨て身で放った「好色剣流水」など、粋な筆致の中に深い余韻を残す名品9篇を収載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
451
【海坂藩城下町 第4回読書の集い「寒梅忌」】参加作品。日本時間では間に合わなかったが、当地時間でギリギリ寒梅忌に読了。短編なため、作品ごとに登場人物や状況を把握するのに苦戦したが、やはり重要なシーンで女子(おなご)が絡んでくるところが、非常に好み。剣の達人・デキる男と、ひたすらそれを待つ女。いいんだよなぁ。沁みるんだよなぁ。2019/01/26
ヴェネツィア
175
「孤影抄」の続編。9つの短篇を収録。基本的なスタイルは前作と同じだ。いずれの物語でも、登場人物たちに向ける藤沢周平の眼差しは暖かい共感性に満ちている。ただ、今回はその隠し剣を生かしようもない、実にやるせない物語も描いている。その典型的なのが、「陽狂剣かげろう」だろう。婚礼を間近にしながら、若殿に許嫁を差し出さなければならなかった半之丞は、自ら「狂」を演じるしかないところに追い込まれて行く。そして、その最後はあまりにも無残だ。幕藩封建体制下にあって、どうすることもできない不条理が厳然とそこにはあったのだ。2013/02/21
ehirano1
172
「暗黒剣千鳥」について。暗黒剣と聞けばファイナルファンタジー4のセシルが直ぐさま思い浮かんでしまう私は読書の修養が足りません(涙)。それはいいとして、剣術の蘊蓄等はサラサラなく、短編ながらのテンポの良さとミステリーにワクワクしっぱなしでした。アサシンはてっきり婚約者だとばっかり思ってたんですけどね。2023/06/17
HIRO1970
172
⭐️⭐️⭐️⭐️久々の藤沢先生。先生の著書は通算6冊目。何れ劣らぬ短編が9つも入った大変お得な一冊でした。どれも甲乙つけがたいのですが、敢えていうなら最後の作品が盲目の主人公ですが、一番輝いていたように感じました。ますます藤沢先生にハマりつつあります。やっぱり先生の剣客ものは見逃せない魅力がありますね。皆さんにオススメします。2016/05/16
ケンイチミズバ
128
どうしても最後は斬りあうのか。この一冊で何人死んでることか。一つの決着のため、汚名を晴らす、はたまた自分の腕を試す、そして武士の一分のため。どの話にも女子(おなご)が絡む。貝毒にあてられたお毒見役は藩主の身代わりに失明する。家禄の維持は当然なのだが、その温情を自分が口添えしたもの、この先の生活も保障すると騙し、彼の美しい妻の体を弄ぶ上司。あまりに許せん。武士として死んだも同然の身から、失意の中で奮い立たせた強い気持ちがもう一度武の魂を蘇らせる。なんとも粋なラストに涙が出そうに。私には無縁の美しい夫婦愛だ!2020/02/04




