内容説明
プラズマイマイは磁気をコントロールして宇宙を駆けめぐる。ファントムーンは神経繊維をレーダーとして、見た者に遠い宇宙の過去を思い出させる。タナトスカラベは相反するふたつの宇宙を往復する。カタパルトリッパー、シエロス、メロディアスペースなど、元兵隊で、今は引退して博物学者として生きる老人が遭遇したさまざまな美しくも怪しい宇宙生物たち。国産SFの香気ただよう、リリカルな本格ファンタジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えも
11
山田正紀お気に入りSF第12弾■読んだのは徳間の単行本■空想科学昆虫記。あとがきに「科学的に正しくない」と断っているけど、生物とエントロピーについての考察は、この作品が出た当時(1980年頃)に自分的に気になっていたテーマだったから、刺激を受けた覚えがあるなあ ♪2013/10/15
タケミチ
1
SF版ファーブル昆虫記。SF的な説明はあるけど、そこを無視すればファンタジー。架空の昆虫の生態を観察によって明らかにしていく過程は理系心をくすぐられる。山田正紀作品にしては地味な印象を受けるけど、やってることはかなり壮大。2013/03/29
nur1202
1
生物 SF とでも言うんでしょうかね。架空の生物を対象としたファーブル昆虫記みたいな連作短編集。 解説にもあるけれど、ちょっとリリカルな感じがするお話が多かったです。 その割に、出てくる生物の設定がハード SF に近かったりして、やっぱり山田はすごいなぁって感じでした。 最後の話のおしまいに、えらい大変なオチがありますので、ちゃんと順番通りに、できれば一気に読むといいと思うな。2012/03/14
けいちゃっぷ
1
まさに想像できないものを創造する力(単行本は画像がないのでこちらで登録)。
まっちゃ
1
物悲しい調子の文章と、作者の創り出した見たことも聞いたこともないような生物たちの奇妙な生態がとても面白い小粒ながらもピリリッと辛味の効いたSF小説。さらには最後の最後でアッと驚かせホウと納得させ感心させてもくれる一冊です。2010/02/27