文春文庫<br> 悪魔の涙

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文春文庫
悪魔の涙

  • ISBN:9784167218713

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内容説明

筆跡鑑定人が犯人を追い詰める!
世紀末の大晦日午前9時、ワシントンの地下鉄駅で乱射事件が発生。間もなく市長宛に2,000万ドルを要求する脅迫状が届く。正午までに“市の身代金”を払わなければ、午後4時、午後8時、そして午前0時に無差別殺人を繰り返すという。手がかりは手書きの脅迫状だけ――。FBIは筆跡鑑定の第一人者、パーカー・キンケイドに出動を要請した。息もつかせぬ展開とどんでん返しの連続に心ゆくまで陶酔できるJ・ディーヴァーの逸品! 2000年週刊文春ミステリーベスト10第5位。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

セウテス

94
文書捜査官キンケイドシリーズ第1弾。敢えてシリーズと呼ぶ。ワシントンにて無差別銃乱射事件が起こり、市長宛に金銭要求が届く。要求に応じなければ、同じ銃乱射が4時間毎に繰り返すとの手書きの文書である。たった1枚の脅迫状から、幾つもの可能性を読み解く驚き、タイムリミットが迫るサスペンスと、スピード感がライムシリーズより感じる。ライムと言えば「魔術師」で、キンケイドが出演していたので本作を読んだ訳だが、本作にもモニター越しにライムは登場する。二転三転する展開や意外な犯人は勿論、親権を争う父親というのも中々の良さ。2019/05/06

ケイ

67
これで終わりか、まだまだページ数が残っているがと思うと今度は追う場所や対象が変わるので常に焦燥感とともに読み進む。主人公パーカーの別れた妻との子供をめぐる駆け引きもあるので、パーカーの身分が明かされないかについても気にかかる。とにかく、読者の注意を引きつけて離さない。頼りない甘えるタイプの女性が実は計算高くて執拗で、助けを必要としない強い女性の内面や美しさをうまく描いているなと思った。こちらまで彼女の手際の鮮やかさにクラっときそうになった。2014/05/14

future4227

53
『ボーン・コレクター』の次に書かれたノンシリーズ長編物。ディーヴァーが一躍人気作家のトップに躍り出た頃のイケイケな感じが作品全体にみなぎっている。冒頭からいきなり凄惨な無差別銃乱射事件発生。まだまだ続くテロ。まるで『24』の世界。そこへ文書検査士というちょっと変わった立場から、脅迫状の筆跡を頼りに犯人像を割り出したり、次の犯行現場を特定したりする物凄い分析力をもつ主人公と犯人との知恵比べが始まる。そんな状況下なのに恋もパパ業も同時に頑張る。忙し過ぎだろ。ぜひシリーズ化して欲しい極上のサスペンス。2018/03/20

Tetchy

52
ディーヴァーはよく息をつかせぬスピーディな展開とどんでん返しが専売特許のように巷間では賞賛されているが実はそれだけではない。彼の精緻を極める取材力が登場人物たちを実在する人物であるかのごとく、読者の眼前に浮かび上がらせる。しかしとはいってもディーヴァー=どんでん返しであろう。大晦日が明ける夜の0時までの殺人予告というタイムリミットサスペンスを展開しながらのどんでん返しだったが。今回はこじつけが多いなぁと感じてしまった。確かにそこここにそれを裏付ける描写はあるが、後で挿入された話という感が拭えなかった。2011/07/10

文庫フリーク@灯れ松明の火

46
読了後、改めて見ると『悪魔の涙』仕掛けはすでに表紙から始まっていた。FBIルーカス&文庫検査士キンケイドVS《サイコパス》&《殺人鬼ディガー》敵も味方もプロットも練り込まれて止まれない。主人公の職業は文章検査士。初めて聞く職業なのに引き込まれる。ここまで読み取れるのか。ドミノ倒しのようにスピード展開、鮮やかな仕掛けが次々花開く。もっと早く出逢いたかった作家さん。『三羽のタカ』の謎、私は飛び立つから0羽と推理。才能無いな、私。(^^ゞ2011/03/19

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