内容説明
他人の心や行動が読めるのはなぜだろう.心が分かるとはどういうことなのだろう.人は行動の背景にある心について理論を構成し,次の行動を予測する.ではいつその理論を身につけるのか.動くものに感じ,見つめあい,分かちあって,人は心を育てていく.動物の心,機械の心,人の心をつなぐ新たなキーワード-心の理論.
目次
目 次
プロローグ
1 心が分かるとは
2 動く物に感ずる心
3 見つめあう心
4 分かちあう心
5 心を読む心
エピローグ
あとがき
参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
手押し戦車
10
人間は意志を持った存在に見えても遺伝子から見れば自分自身のコピーを増やす間利用する乗物で利己的は遺伝子。物や事を確認したり識別するには一種の受信器が必要でありその受信器の働きこそ利己的は意思。意図的検出で動く物の目標と願望が有るから生物が動いてる様に勘違いする。ボールが高く上がった伸びる入るかと聞くと想像してしまう様に物の動きの中に心が有ると感じる。心から見れば意志は勝手に物事を都合良く解釈し合理的な判断が出来てると思い込んでくれる受信器。心穏やか冷静などは心から見れば他人事、意思の疎通は意思の関係。2014/08/12
霧凛
6
言葉遣いも分かりやすく、多くの例をのせてくれていたのでさらっと読めて、初学者にはよかった。2016/11/22
那由田 忠
4
「心の理論」という語句の意図や研究の経緯が分かる。チンパンジーの行動分析から生まれ、自閉症の有力原因の一つと見られて研究が進む。他人の視線に気づき、他人と同じ気持を分かち合おうとする心が徐々に育つ。そして、客観的な事実と他人が誤って信じていることの区別をつけられるかどうか、「誤った信念」の実験が幼児に行われてきた。4歳から正しく見分けられて、難しいドラマなどの登場人物の複雑な人間関係を読みとれるようになっていく。問題がこの働きを支える脳の仕組み。言語発達で可能となるのかどうか、研究課題は尽きない。2014/11/06
Jas
3
どんな振る舞いをしていようと、「悪意」の感じられない人は、純粋な感じがする。悪意って何だろうな。他人の心を利用するってことだろうか。社会性って、本来は利己的なものなのだろうか。2023/03/16
がりがり君
3
心の理論について、サイモン・バロン=コーエンの提唱したモデルを元に心の理論を説明していく。肝心の心の理論の説明が疎かになっていたように感じたのと、この本では他社の目を仮定するが、目が見えないインターネットの時代における心の理論はどうなのだろうと気になる所。古い本にあまり期待してもしょうがないか。2020/07/12