内容説明
飛行機にとりつかれた中島知久平は、旺盛な行動力で日本初の飛行機製作所を作る。折しも軍国主義の嵐。量産した軍用機のなかで「隼」「月光」などは航空史に残る名機だった。その一方で政治家としても活躍した彼は、先を見る眼力、エネルギッシュな動きで巨人とも呼ばれた……。飛行機王の生涯を描く名評伝。
感想・レビュー
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モリータ
4
中島知久平の才能の多彩さ、先見性にはもちろん驚くが、それ以上に15年戦争に至る政治・軍部の状況の複雑さを感じる。つくづく、日本近代史は異なる分野について、異なる立場から繰り返しておさえてなければだめだと思う。この本の内容で言っても、政治(政党)史・軍事史・技術史を一度で並行的に理解するのは不可能だろう(この本の構成の?な面もあるが)。だから「高校で日本史を履修した(からそれでいい)/していない(からわからない)」というのは、両者にとって言い訳でしかないと思う(目指すべき知識レベルがそこであったとしても)。2013/10/15