内容説明
「北の演歌か、ウニ、ホヤ丼、あつあつオコゲの母恋し、拍手パチパチB級野菜の精進揚げ、正調びちゃびちゃコロッケライス、ソーメンの現状と今後の問題点」などなど。当世流行るグルメとはキビシク一線を画す、正しい高級質素料理とは何か!? 北から南から、町の食堂、家の台所、はては野外の焚火囲みから、選りすぐった50の美味について。シーナ流極私的何でもかんでもうまいもの文化論(エッセイ)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
96
1985年に発行された本の文庫版。表紙のデザインが平野甲賀氏がうれしい。この頃、椎名誠さんの昭和軽薄体はキレキレだったと思う。・・・なのだ、この野郎コラッコラとか表現が素晴らしく新鮮だったのを覚えている。現在の椎名誠さんの紀行文やエッセイとは違う意味の面白さがあった。ときはバブル期前、世の中はうかれていたことを思い出す。平日でも飲み屋はにぎやかで飲食業はかなり設けたらしい。そんなことはどうでもいいけれど。好きなのは本文の挿絵。沢野ひとしさんの絵だがしみじみとしてシンプルで好きだなあ。2023/03/13
へくとぱすかる
57
グルメじゃなく、日常的orキャンプ料理的な「食べる」本。30代の時に書かれただけあって、内容もさすがに若くて豪快だ。「全日本」「図鑑」というタイトルも一種のジョークに近い、かなり私的なエッセイ。なにしろ千切りダイコンのみそ汁が最高っていうノリですから。ラストの鼎談が終わったら、さらに解説がわりの鼎談(笑)。男ってのは味や食材にこだわるんだねえ。2018/10/07
雲をみるひと
28
食に関するエッセイ。出自が雑誌のコラムということで文体も内容も柔らかい。八十年代の食文化やそれ以外のテーマの雰囲気がよくわかる。関心の高いテーマにおいては、筆力が高くなるという作者の特徴がよく出ている。往時や近い時代を知る世代なら特に楽しめる一冊だと思う。2022/07/31
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
17
再読本。この本に出て来るコロッケ埋めライスを、たまに食べたくなって作るのだけれど、作るだけでは飽き足らず、むしょうに読み返したくなって、買い戻してしまった。 懐かしの昭和軽薄文体。ぐんぐん読めてしまう。今、読んでもおもしろい。2014/08/23
やまゆ
11
30年以上前の本。このころは舞茸は一般的な食べものではなかったんだ。2017/07/09