ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 名門

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ハヤカワ・ミステリ文庫
名門

  • 著者名:ディック・フランシス【著】/菊池光【訳】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 早川書房(2014/08発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784150707217

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内容説明

〔競馬シリーズ〕名馬を種付けした子馬に次々と奇形が生まれた! 生産牧場に融資していた商業銀行エカテリン社の青年重役ティムは事態を救おうと死力を尽くすが……何者かの陰謀か? としたら何のために、またどうやって? 名馬の血統に賭ける生産牧場と名門銀行家の苦闘を巧みなストーリイ展開で描く。/掲出の書影は底本のものです

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

bookkeeper

28
★★★★★ 再読。主人公は銀行の融資担当。書名(名門)と職業から、堅苦しく退屈な印象を抱いてしまいがちながら、中身は実に良いです。食わず嫌いせずにぜひ。  名馬の種付事業に対する融資が予想外の事態から危機に陥る。種付のビジネスモデルや英米の違い等興味深い。生命の営みや息遣いが感じられ、それだけに生命の尊厳を踏みにじる悪役の手口が憎らしい。サイドストーリーは敬愛する上司の妻への恋の行方。互いに思いながら一線は超えない…?決着の付け方もお楽しみに。 「胸が裂けるような思いを味合わせるんだよ、馬というやつは」2020/07/13

nagatori(ちゅり)。

18
ハヤカワのクリスティを読む度に後ろの広告で名前を見て、そして何年もそのまま通り過ぎていたディック・フランシス。初読みです。…もっと早く読めば良かったー!犯人の非道っぷりは許せないけど、主人公の周りの人物達がなんて優しいことか。推理以外の所、恋愛、家族、同僚、様々な人との繋がりが温かく、主人公の素直な人柄が想像できて読んでいて気持ちよかった。後書きではこの作品の主人公は“シリーズ中では地味な方”だそうだけど、いやいや好青年でした。あ、「どこでも開けられる万能カギ」には笑いました(笑)万能って!2015/04/19

ぺぱごじら

18
『彼は君を好いていた(しかし)』『私は彼女を手に入れたい(だが)』『彼女はその瞬間まできっと幸せだったはず(だけど)』といういくつもの『but』が背景にあり、読んでいて切なくなる。作品全体のタッチに不条理に満ちた彼らを労るような優しさを感じるものの、事件自体はとても救いがなく、シリーズ通して犯人に最も嫌悪した作品。若き銀行家が着実にステップアップする姿にとても好感が持てるし、見守る周囲の大人達にも敬意を持てる。2014-072014/01/19

bapaksejahtera

11
今回は有望事業への融資の業に当たる若い銀行家が主人公。表紙にある説明では、彼の融資した競走馬種付け事業において、購入した名馬に奇形の産駒が連続し、主人公が窮地に陥るとある。しかし物語は立ち上がりが遅く、作品の半分を越えてからその事態が生ずる。それまでは主人公が同僚の夫人に対する悶々とした恋情が綴られ、読者はイライラして過ごす。結局ほんとかなと思われる病理的薬理的な種明かしがあり、主題のように思えた色恋沙汰も尻すぼみに終わる。シリーズの読破にしこりを残さぬか心配だ。2022/04/04

たこやき

9
超一流の競争成績を誇り、血統も申し分のない種牡馬の子は、奇形ばかり。そんなセンセーショナルな事件だが、あからさまに怪しい人物がいるので大体の真相は想像できる。しかし、種牡馬導入に関する様々な要素がちりばめられ、「ビジネス」としての競馬を強く意識させるつくりになっているのが印象的。種牡馬を導入する生産牧場側で物語を作るのも十分に面白い物語になると思うのだが、敢えて素人である「融資する側」である銀行マンを主人公にするというのも上手いと感じる。2013/05/19

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