文春文庫<br> てんのじ村

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文春文庫
てんのじ村

  • 著者名:難波利三
  • 価格 ¥447(本体¥407)
  • 文藝春秋(2016/05発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167432027
  • NDC分類:913.6

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内容説明

大阪は通天閣の下に、漫才師、奇術師、浪曲師といった芸人たちがあつまり住む一郭“てんのじ村”があった。戦前、戦後、そして高度経済成長期と、大阪芸人の活躍の場が、寄席からラジオ、テレビへと移りゆくなか、時代の波にとり残された八十二歳と五十五歳の漫才コンビ。しかし、その二人に、たった一度だけ華やかなテレビのスポット・ライトが当てられる日が来たのだが──。身を寄せあって生きていく善意の人々の哀歓を、しみじみと描いた第91回直木賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

111
直木賞】「てんじの村」だと思って検索していたら図書館に所蔵がないので諦めていた。ふとみると、天王寺(てんのうじ)だから「てんのじ」がっくり。演芸が題材の大阪の物語。寝屋川市に笑魂塚。2014/05/08

はらぺこ

35
大阪の漫才師の話。自分が大阪人やからか十分に楽しめた。今まで読んだ戦後の話の多くは東京が舞台やった気がする。会話は大阪弁やけどト書き等は標準語やから誰でも楽しめると思う。今で言うコテコテの大阪弁やなく古き良きコテコテの大阪弁。 自分の年齢では主人公の芸を見ても笑わんと思う。ホンマにドジョウ掬いでゲラゲラ笑えるんやろか? ホテルで手を繋ぐ場面は最高に良かった。 とりあえず関西人で感想を書くのが上手い人に読んでいただきたい。それでユーザー数を増やして欲しいです。 オススメです。2011/03/17

NORI

23
1984年直木賞。 大阪・通天閣近くで、売れない芸人達が身を寄せ合っていた「てんのじ村」。不安定で険しい道を選んだ人生。芸人として売れる・売れないの焦燥感や嫉妬。本音と見栄の狭間。芸のレベルとしては自分より下だと思える芸人が人気者になって行く苛立ち。老年に達してから訪れたチャンス。そんな悲喜こもごもが、戦後以降の昭和の空気感と共に、丁寧に描かれる。芸人の心情や、不安定な世界に身を置く恐怖や覚悟を表現した小説としては、又吉直樹「火花」を思い出すが、その30年以上前にも、こんな小説があったのか。2025/04/22

背番号10@せばてん。

17
【1984_直木賞】1987年8月14日読了。あらすじは忘却の彼方。1987/08/14

あかつや

5
戦争で焼け出された上方芸人たちが肩寄せあって暮らすてんのじ村。新しい時代の波に乗って出世してそこを出ていく者もいれば、いつまでもうだつが上がらぬまま居つく者もいる。些細なきっかけでこの道に入ったシゲルはいつの間にか村の最年長芸人となっていた。いやあいい話だった。読んでいてあたたかい気持ちになったよ。芸人たちは貧しくて、辛いことや悲しいこともいろいろやってくるんだけど、それでもみんなで支え合い、明るく笑いながら日々を生きていく。そういう優しさと力強さに励まされるなあ。彼らの芸がどんななのか見てみたかった。2022/05/21

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