内容説明
「アメリカの料理は不味い、アメリカ人は味覚音痴だ」というのは俗説にすぎない。それぞれの出身国の味=文化は、アメリカでも花開いているのだ。むしろ「人種のるつぼアメリカには世界のすべての料理がある」といった方が正しい。多彩な民族や宗教と開拓の歴史をそれぞれのひと皿に込め、ユニークな個性を開花させたアメリカの食卓を、現地滞在七年の経験から見た、もう一つのアメリカ文化論。読んで楽しくやさしいレシピを各エッセイに付けた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Schunag
6
見事な散文家の作だと思います。数多ある食べ物エッセイのなかでも上位に入るのでは。2019/05/09
rabbitrun
4
著者がアメリカで暮らした数年間に体験した現地の食文化について綴ったエッセイ。個々のエピソードが秀逸なだけでなく、丁寧な言葉遣いが素晴らしい。よく練られた文章はきちんと下拵えをした料理のような深い味わいがある。2018/10/16
猫
3
生意気な言い方だと思うけど、戦中、戦後を生きた世代の著者が、自分の人生の中に在った、触れた食の話を飾らない等身大の言葉で語っている、と思う。自分の好みを押し付けるとか、何かを悪く言うとか、どこか自慢を含んだ物言いなどがない文章で、著者の人柄の良さが伝わってくる。各章の最後に乗せられたレサピーは自分ではほとんど作れなさそうだけど読むだけで涎もの…2013/11/07
bb
1
ワイルドライス、亀のスープなどアメリカ伝統料理の調理法も書かれている。アメリカ生活でのエピソードも面白いが、なにより著者の知性、品性に惹かれる。
hanamiduki1975
0
非常に面白かった。2021/02/13