内容説明
餌のミミズの話にはじまって卓抜なる文明批評に到る、釣魚エッセイこれぞ決定版! コイを抱き取る名人まあしゃんの話、カジカをハンマーで捕る話、根釧原野で“幻の魚”を釣る話、井伏鱒二氏が鱒を釣る話、遠くはバイエルン・チロル・メコン河で魚を釣る話、古代人の釣りを体験する話……釣魚を語って、卓抜な文明批評とユニークな自然観をも繰り広げ、その多彩な描写と、無垢なる愉しみにはまず類がない。1969年刊行の原本に大幅に加筆して、図版を加えた決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AICHAN
40
再読。イギリスのアイザック・ウォルトンに『釣魚大全』という有名な著作がある。それにあやかった作品。「うさぎ追いしかの山、こぶな釣りしかの川~♪」の古きよき時代に関西で育った開高健は、小さいころから近くの川や沼や用水路で釣りを楽しんだ。大人になってからは北海道は根釧原野に、山形県は銀山ダム湖へ、そして世界へ釣行した。その記録的エッセイ。図書館に寄贈。2022/08/04
redbaron
18
釣りの話ではあるけれど、それだけではない。博識に脱帽。良書に感想はいらないですわん。開高健って誰…そんな声が聞こえないことを心から祈っています。フライフィッシングってやつ、やってみたいの~♪2016/07/09
ナハチガル
16
3/2ほど読んだところで挫折。信頼できる作家の作品は何を読んでも面白く、自分には興味のないトピックであっても読んでいるうちに興味が出てくるものだが、これはだめだった。『夏の闇』も読み終えるのにずいぶん苦労したが、もしかして開高健は私にとって信頼できる作家ではなかったのであろうか?という打ち消し難い疑問がずっと離れない、しんどい読者だった。「昔はもっと大きいのがたくさん釣れた」という記述が散見するが、50年も前からそんなこと言ってたんだなあという感慨はあった。開高さんが今の川や海をみたらなんて言うだろう。2025/08/11
Saku
12
開高健が釣りについて語った本。渓流の岩をハンマーで叩いて、魚にショックを与える漁は昔何かの本で見た。調べて見ると現在は違法らしいけど。北海道で幻のイトウを釣る話がお気に入り。2017/03/21
たびねこ
10
アイザック・ウォルトンの『釣魚大全』の向こうを張った一冊。釣竿とルアーとウィスキーを携え、戦場に飛び込む記者さながらに苦闘し感動し落胆する。のどかな井伏鱒二の著書『川釣り』もよいが、それとは対照的な情熱的名著。2020/08/30
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