内容説明
田舎町に発生した凶悪な殺人事件はT字で彩られていた。T字路に立つT字型の道標に磔にされたT字型の首なし死体、そしてドアに描かれたTの血文字。古代宗教や中部ヨーロッパの迷信等を背景に起る第二第三の殺人にエラリイの推理も翻弄される。有名な読者への挑戦状を付した国名シリーズ中傑作の誉れ高い作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホームズ
21
ハヤカワ文庫版は初めて読んだ。何回読んでも面白いですね(笑)昔の話だから今の捜査と比べると疑問に思ってしまう部分もありますが単純に楽しむ分には(笑)解決としては論理的だし良いですね(笑)2011/08/25
ジャムうどん@アカウント移動してごはんになります
17
エラリィクイーンはやっぱりいいなーと思いました。本当に大好き。(探偵としても、作家としても)意外な展開に、フェアプレイの象徴「読者への挑戦」痺れました。かなり前に読んだ気もするシリーズですが、ここから読んでいきたいと思いました。2015/04/03
ふう
11
要約読みした当時から丁字路に磔にされたりトーテムポール(教授いわくポストw)に括られた首なし死体の挿絵だけでも、小学生を夜トイレに行けなくさせる力が十分あった本書(太陽信仰とか裸体主義者ってのもこれまた怖かった)。今改めて読み直すと…うーんw 4つの事件がたったひとつのシンプルな手がかりから紐解かれるのはいいんだけど、指紋とメガラ殺害にちっとひっかかる点あり。でもまぁこれにケチつけるのも大きな団体を敵に回しそうだしw 結論としては「DNA鑑定って本当にスゴい」だったりする。2010/10/13
Radwynn
8
T字路でT字型の標識に磔にされた首無し死体から始まる恐るべき連続殺人事件。忽然と消えた犯人は何処に?Tの文字に隠された謎とは? 怪しい宗教やら古い欧州の因習やら家族の確執やら作中劇的犯罪の顛末やら、次から次へと提示される情報の波に翻弄され、エラリィと同様、当然思い付いている筈の最適な答から遠ざかる。作者の思う壷に嵌ってしまったw エラリィ、今回はお父さんと離れて大学時代の恩師といちゃいちゃしてますなw いちいちやる事が可愛いw 「読者への挑戦」の直前の髪を振り乱したエラリィがお気に入りですw2015/05/29
ako
5
再読。国名シリーズの第五弾。首を切られ、T字型に磔にされる連続殺人事件。傑作と言われるだけあって読み応えがありました。最後の大追跡はハラハラしたし、犯人逮捕の扉を開けた時は予想外で驚きました。いつものように「読者への挑戦」があり、読者へ全ての情報が与えられるフェアプレー精神も好き。2013/04/06