目次
哲学者とサラリーマン
殺人と不倫
竹刀とラケット
ラノベとワイドショー
パラレルとワールド
ウィトゲンシュタインと少年ジャンプ
名詞とパラダイム
野外とフェス
サバティーニとスターバックス
西葛西とニューヨーク
ソクラテスとツルッパゲ
デュシャンとゴッホ
75億人とカサブランカ
ビキニとオオトカゲ
ソーシャルとメディア
ガラパゴスと世界のサカモト
古民家カフェと干し柿
ムクドリとワゴンR
お金と倍数
気づきと学び
生きていると死んでいる
求めると求められる
パリとベルリンのカフェ
美容師と料理人
キム兄とホームレス小谷
ランプと自殺
名刺と空港
著者等紹介
ワタナベアニ[ワタナベアニ]
1964年横浜生まれ。写真家・アートディレクター。広告プロダクション、株式会社ライトパブリシティ勤務を経て、独立。「45R」などのクリエイティブディレクションを手掛ける。日本テレビ『anone』ドラマポスターで日本広告写真家協会・優秀賞を受賞。雑誌・広告・ファッションカタログ、国内外での写真展を中心に活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鱒子
69
図書館本 ロバートツルッパゲとはいかなる人物なのか?その正体は著者の内部に存在する、生きるためのセンス。決して表紙の彼ではありません。哲学書と言うにはとっつきやすく、エッセイと言うには深い本で、クスクス楽しく読みました。「哲学=センス」みんなも心にそれぞれのロバートツルッパゲが居るのだろうか。わたしには居ないが、作ってみるのも面白いかもしれない。知らんけど。2020/07/07
Y2K☮
32
3回目。売れてナンボは生きる上で不可避の真理だが、それを振りかざした途端に著者も柵の中の羊に見える。もし次作があるなら、もう少し度の高い眼鏡をかけたうえで私のような現代美術的「うすらバカ」を断じてくれると助かる。自分が何をしたいかに忠実になれと謳っているけど、それを始めたい人が本書を読み込んだら逆に萎縮してしまう気がする。でも他人に流されず、且つ周囲に気を配れる姿勢の必要性を説いてくれる点でとても優しい一冊。厳しさと優しさ。己と他人。矛盾は答えではなく問い。己だけの答えを探す過程こそすべて。また読みます。2022/10/19
Y2K☮
31
オヤジギャグに大笑い。と同時に恐れ入って俯く。これは何度も読む。レッツブックオフと云われても手離せない。「仕事とは自分を殺して我慢することだ」って皆思ってない? 私は今年の2月までそう思ってました。「望むのは俺よりも能力が高い人からのダメ出し」というのは? 生温い賞賛に甘んじたくないと云い切れますか? 試しにこの本いかがでしょう。多分普通の書店ではあまり置いてないけど。レッツABCレッツ読書のすすめ。言葉を惰性で使って気づかぬ劣化。そんなの嫌だ。作家になるんだ。また弛んできたら真率なロバートに叱られよう。2020/05/01
Y2K☮
27
とても繊細な人だ。それが表に出すぎると煩わしい。たとえば「気づき」「学び」「癒し」などの言葉を嫌うくだり。趣旨は理解できる。でも感じたことは素直に表現すればいいわけで、主体性がないとか言われても「それであなたに迷惑をかけましたか? むしろその横槍が迷惑です」となる。ただ彼の駄目出しのおかげで己の甘さに気づくことも確かにある。ぐさっと刺さる有意義な駄目出しをしてくれる人はあまりいない(刺すだけなら簡単だが)し、お節介が多いと疲れてしまう。この本ならオヤジギャグをスルーすることで反撃できるからちょうどいい。2020/07/09
Speyside
22
写真家である著者によるエッセイ。毒舌かつオヤジギャグ満載、読者を煙に巻くようなところもあるのだが、オヤジギャグのはざまに本質を突く洞察が散りばめられている。 著者は一貫して「自己判断の放棄」への警鐘を鳴らしている。例えば、「気づき」「学び」という言葉がなぜ気持ち悪いのか。「気づいた」「学んだ」と言えばいいところを「気づきを得た」「学びがあった」と言い換える心理は何か。「赦し」「救い」などと同じ宗教用語の文法であり、発言の主体を明確にせず、他人に責任を委ねているからだと喝破しており、なるほどと膝を打った。2020/06/24