目次
ヒトの裸の皮膚は自然淘汰で生じたはずはない
ダーウィンは変だ
ダーウィンは裸の起原を解明できない
裸の獣
特別な裸の獣たち
裸体化仮説
人類海中起原説
突然変異による裸の出現と不適者の生存
火と家と着物と
ネアンデルタールの家
裸の人類はどこで、いつ出現したのか?
重複する不適形質を逆転する鍵は?
著者等紹介
島泰三[シマタイゾウ]
1946年、山口県下関市生まれ。下関西高、東京大学理学部人類学教室卒業。房総自然博物館館長、雑誌『にほんざる』編集長、日本野生生物研究センター主任研究員、天然記念物ニホンザルの生息地保護管理調査団(高宕山、臥牛山)主任調査員、国際協力事業団マダガスカル国派遣専門家などを経て、現在、日本アイアイ・ファンド代表。理学博士。アイアイの保護活動への貢献によりマダガスカル国第5等勲位「シュバリエ」を受ける
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感想・レビュー
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やいっち
16
アフリカの大地で、多くの獣たちの中で、裸…無毛の体で生まれたら、たとえ幼児期を脱しても、仲間とは一緒の生活を送ることはできないだろう。足手まといになるのが目に見えている。 無毛だけじゃない、どうやら、ヒトが無毛となった時期と相前後して、ヒトは言語(発話能力)を獲得したらしい。 言語(発話能力)は、ヒトにおける食道と気管支の複雑な発達と深いかかわりがある。2016/11/14
rubyring
2
人間が裸になったのは、ホモサピエンスになってからであるということを、ほかの裸の種に関する考察してあり、面白かった。人類が突然裸になって、同時に言語を持ち、野生動物ではなくなったという本書の分析は、人類の未来を考えるうえで大きな影響力を持っている。2015/03/01
kamayan1192
0
『飛び道具の世界史』から連想して再読。人間が体毛を失ったことは生存上不利な突然変異だったが、言語能力と同時の突然変異だったので生き延びた、という仮説。火と家をいつ人類が獲得したかはまだ分かっていないが、火を獲得したのも毛皮を失ったのとほぼ同時だろう。衣服獲得はシラミの遺伝子から時期が推定できる。この仮説だと、ネアンデルタール人は毛皮をまとっていたことになる。島泰三は名文家だ。大好きな著述家の一人。2012/02/23
takaHAHAHAru崇治
0
巻末の言葉にぐっと来ます。「アイデアは宝である。独創的なアイデアは、世界を変える新しい宝である。」2011/08/11