内容説明
「小児マヒ」の通称で知られるポリオ。日本においては1960年代にほぼ姿を消したものの、世界ではその後も猛威をふるい続けていた。なかでも、最も対応が急がれる国の一つだったのが、世界最大の人口と、貧しい農村地域を無数に抱えた中国だ。問題解決に乗り出した中国人と日本人の合同チームは、農村の深層に分け入り、ひたむきに真実を追究する。日中専門家の協力と国際社会からの支援によって、ポリオ撲滅の奇跡を達成した国際協力の記録。
目次
プロローグ 中国のポリオ撲滅への道
第1章 山東省からの出発
第2章 北方5省での本格展開と実験室診断ネットワークの構築
第3章 北方5省の成果をハイリスク南方5省へ
第4章 国境を越えて侵入するポリオウイルス
第5章 なぜポリオを撲滅できたのか?
エピローグ 国境を越える感染症の脅威に、日中両国はどう立ち向かうのか?
著者等紹介
岡田実[オカダミノル]
JICA研究所参事役。2012年より法政大学法学部国際政治学科兼任講師。東北大学法学部卒業後、民間企業勤務を経て、1988年に旧国際協力事業団(現国際協力機構、JICA)入団。その後、北京大学留学、中国事務所員、中国援助調整専門家、中国事務所副所長として約10年間対中政府開発援助(ODA)に従事し、その間ポリオ対策プロジェクトに関わる。国内では、JICA本部勤務のほか、外務省経済協力局、(財)日本国際協力システムへ出向。2010年、法政大学大学院にて政治学博士号を取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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