出版社内容情報
『罪と罰』『白痴』『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』のドストエフスキー四大長編の深奥に分け入り、そこに隠された秘密のメッセージを多様に読み解きながら、神なき時代に生きる現代人の救いのありかをさぐる。
【著者紹介】(かめやま・いくお)
1949年生まれ。東京外国語大学学長。ロシア文学者。著書に『甦るフレーブニコフ』『破滅のヤマコフスキー』『磔のロシア』『ドストエフスキー 父殺しの文学』などがある。新訳『カラマーゾフの兄弟』は100万部突破。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
みけ
9
私には難しいけどなんだか面白いドストエフスキー作品。歴史・政治・宗教的背景の解説を期待して本書を手に取る。いろいろと参考になった。ただ、カラマーゾフに関しては幻の「第二小説」に関する予想ばかりだったのが残念。ドストエフスキーに限らず、登場人物の性格設定・名前やエピソードなど、作家さんは本当に緻密に計算して物語を構築していて凄いなと改めて感心しました。2018/12/12
Ecriture
2
ドストエフスキーの代表作をめぐる小ネタエッセイ集。時代背景や伝記的なものを読む分には参考になる。あとは素晴らしい想像力を活かしたドストエフスキー愛の告白。2011/11/29
Mr.Shankly
2
本書はNHKの「知るを楽しむ」で収録した内容を元に書いているそうで、内容的には4大長編に関してエッセンス程度の内容。番組でやっていた作品ダイジェストみたいなものがあったら、きっとドストエフスキー入ガイドとして最適なものになったのではと思う。私自身この番組をきっかけに悪霊など読み始めたところもあり、著者の人を感化させるある種のエネルギーには恐れ入る。(文章のうまさではなく、ドストエフスキーへの激烈な愛を感じる)
nukuteomika
2
ドストエフスキーの時代と現代を重ね合わせて現代を生きる道を探る。ちょっと安直で異論があるのと、文章が下手2010/07/20
Norimasa Saito
1
亀山郁夫のドストエフスキー論。「甦りは人を愛することからしか生まれない」(罪と罰)。革命か神かの二分法から生まれる何かではなく、むしろそれを止揚する思想、人間の生命そのものに絶対的な価値を置く。ある意味できわめてプリミティブな生命礼賛の哲学(悪霊、カラマーゾフの兄弟)。目から鱗が取れる思い。単純な二元論では今の世界は解明できない。19世紀文学に活路を見出す思い。ドストエフスキーは現代の悲劇を予想したと共に生命尊厳という希望の哲学を見出していたのかもしれない。2023/06/20




