内容説明
「戦術騎士団」の崩壊から数日後。オーフェンは指揮官としての責任を問われ、市議会により拘束されていた。そして、騎士団と魔術学校の運営を託されたマジクたちは、それぞれの立場から秩序維持のために動き始める。一方、マヨールは妹であるベイジットを追うために、「キエサルヒマ魔術士同盟」を離反し、原大陸を放浪する。辿り着いたのは魔術士のいない開拓地。「ヴァンパイア」たちが統治する村だった。すべてが混沌とし事態も収拾されぬまま、「反魔術士勢力」を支援するために一隻の船が入港する。「ガンズ・オブ・リベラル」。解放と自由を歌うその船は、魔術士にとっての脅威を詰め込んだ装甲船だった。原大陸の覇権をめぐる抗争は三つ巴の様相を呈し、新たな戦火は各地へと広がっていく。
著者等紹介
秋田禎信[アキタヨシノブ]
1973年生まれ。17歳で第3回ファンタジア長編小説大賞・準入選。『ひとつ火の粉の雪の中』にて作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ユカ
31
オーフェン、この展開前から予測してたんだ。となると、ゆく末も何通りか予測してんのかな。そもそも前々回でスウェーデンボリーとプルートーを大陸に帰しちゃってるのが不思議だったけど、何を考えていることやら。魔王なんて呼ばれてるけど、ほかの人間と本質は何も変わらないのだとしたら、力はあるけど思考や先の読み方が老成してる(笑)から他者をひっぱれるんだろうな。イシリーンがはっちゃけすぎた子だったのがちょっとうれしい。ラチェットの全貌が徐々に明らかにされていくのが楽しいです。こういう子好き。2015/02/23
ぽよっぽ
7
個人的にオーフェンの出番が少なかったので残念。でも、次巻は久しぶりに暴れてくれそう?マヨールがようやく主人公らしい活躍を見せてくれました。今までベイジットが何を考えているのかさっぱり理解できなかったのですがやっと共感というか分かってきたような気がします。オーフェンが結婚指輪を送るなんて甲斐性があったことに戦慄した!2013/01/09
tankouka
5
ベイジット、マヨール、イシリーン、エッジとラッツベインら新世代のキャラクターがそれぞれ立ちはじめた印象です。その後ろでどっしり構える魔王オーフェンの存在感がたまらない。旧シリーズの延長、オーフェンの物語を期待して読むと、オーフェンやその周辺の活躍が見られないのがもどかしかった新シリーズだけれど、この巻から旧世代へのひいき目がリセットされて、新世代の物語として楽しめるようになってきたと思う。2012/05/16
月華
5
政治的駆け引きや登場人物それぞれの思惑が錯綜中です。オーフェンの娘達は見事な位性格が違いました。番外編のオーフェンの日常も楽しかったです。実は全てを見通しているようなオーフェン。続きが気になります。2012/04/12
mahiro
5
巻末短編、登場しないコンスタンスとオーフェンの、彼等らしい心の通わせ方がいい。 本編、それぞれのキャラ達の別々の行動が、段々と交差しあってぶつかり、物語を次の段階へ導いてゆく。 そしてオーフェン、出番は少ないが巻末の存在感…全ての人々の行動を把握しているように思えてしまう「駒は大体出そろったか」なんてやっぱりかっこいいよ〜 あ、久々にレキを連れたクリーオウを見たけどもう貫禄さえ感じます。ラチェットサイアンが気になる2012/04/09