殺劫(シャーチエ)―チベットの文化大革命

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  • サイズ A5判/ページ数 410p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784904213070
  • NDC分類 222.9
  • Cコード C0022

内容説明

チベット「封印された記憶」の真実―。一九六六年から十年間、チベット高原を吹き荒れた文化大革命の嵐は仏教王国チベットの伝統文化と信仰生活を完膚なきまでに叩き壊した。現在も続くチベット民族の抵抗は、この史上まれな暴挙が刻印した悲痛な記憶と底流でつながっている。長らく秘められていた「赤いチベット」の真実が、いま本書によって四十余年ぶりに甦る。

目次

第1章 「古いチベット」を破壊せよ―文化大革命の衝撃(やがて革命が押し寄せてくる;ジョカン寺の破壊;「牛鬼蛇神」のつるし上げ;改名の嵐)
第2章 造反者の内戦―「仲の良し悪しは派閥で決まる」(二大造反派)
第3章 「雪の国」の龍―解放軍とチベット(軍事管制;国民皆兵)
第4章 毛沢東の新チベット―「革命」すなわち「殺劫」(革命委員会;人民公社;新たな神の創出)
第5章 エピローグ―二〇年の輪廻(神界の輪廻)

著者等紹介

ツェリン,オーセル[ツェリン,オーセル][Tsering,Woeser]
茨仁唯色。1966年、文化大革命下のラサに生まれる。原籍はチベット東部カムのデルゲ(徳格)。1988年、四川省成都の西南民族学院(現・西南民族大学)漢語文(中国語・中国文学)学部を卒業し、ラサで雑誌『西蔵文学』の編集に携わる。主な作品に散文集『名為西蔵的詩』など

藤野彰[フジノアキラ]
1955年、東京生まれ。78年、早稲田大学政治経済学部卒。同年、読売新聞社入社。86~87年、中国政府奨学金留学生として山東大学留学。上海特派員、北京特派員、シンガポール支局長、国際部次長などを経て中国総局長(在北京)を2度務める。中国駐在は通算11年。2006年から東京本社編集委員(中国問題担当)

劉燕子[リュウイェンズ]
作家、現代中国文学者。中国北京生まれ。湖南省長沙で育つ。1991年、留学生として来日し、大阪市立大学大学院(教育学専攻)、関西大学大学院(文学専攻)を経て、現在、関西の複数の大学で非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スー

18
142筆者の父親が人民解放軍の士官で撮っていたチベットの文革時代の貴重な写真を場所や当時の状況と人物を説明してます。文革は江青と紅衛兵ぐらいしか知りませんでした。毛沢東の写真を先頭に漢人・チベット人の紅衛兵が四旧を打ち倒せと行進している写真や寺を破壊している写真、僧侶・貴族・商人・役人達に名前や罪名を書かれた三角帽を被せられ大衆の面前で弾劾するなど恐ろしい写真が多数のっているので当時の雰囲気がよく伝わってきました。2019/09/24

BLACK無糖好き

10
著者の父親がチベット駐屯軍士官の時に個人的に撮影していた文革の貴重な写真が満載。中国ではタブーの中のタブーであるチベットの文化大革命の抹殺された時代の記録が、歴史の証言として本書で白日の下に晒されている。破壊された寺院、批判大会での吊し上げ、林立する五星紅旗と毛沢東の肖像画。著者は写真に映った関係者への取材から、痛苦に満ちた記憶に直面する人々の様子も丹念に描いている。チベットの社会体制、宗教、文化がいかに踏みにじられたかが、圧倒的リアルさを持って迫ってくるキツい一冊。 2016/06/21

Numano Jiro

2
著者オーセルは軍人であった父が撮影した写真をもとに、文化大革命がチベットを痛めつけた爪痕を丹念に描いている。痛々しい記録である。また、現在、改善の見通しがなく残念な現実をも訴えている。チベットについて知るためには欠かせない書物である。また、隣国中国についても。2012/12/13

allen xu

0
收录大量珍贵照片,但作者也时常陷入比较幼稚的藏民族主义和宗教思维。2018/08/15

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