内容説明
それは打撃音とともに旅をもたらす魔法の杖。平出隆が無限のフィールドに残す言葉のシュプール。
目次
glad day(世界の果て書店;北米のもりそば;民宿のシンメトリー・キャット ほか)
ball,bat&art(ウィリアム・ブレイクのバット;文字と化したバット;ラウル・デュフィの野球場 ほか)
kafka’s drive(絶対初心者;初心の喪失;はじめての失敗 ほか)
著者等紹介
平出隆[ヒライデタカシ]
1950年福岡県生まれ。一橋大学社会学部卒。詩人・作家・多摩美術大学教授。著書に、『伊良子清白』新潮社(芸術選奨文部科学大臣賞・造本製幀コンクール経済産業大臣賞)、『ベルリンの瞬間』集英社(紀行文学大賞)、『猫の客』河出書房新社(木山捷平文学賞)、『左手日記例言』白水社(読売文学賞)、『胡桃の戦意のために』思潮社(芸術選奨文部大臣新人賞)など
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぱせり
11
尊敬する友人が旅先から送ってくれる手紙を一通一通楽しみに読んでいるようだ。ふんだんな挿画はドナルド・エヴァンズの切手つきのカードで、美しい。気さくで愉快な文章で、日々のなかにある芸術の輝きの見つけ方を教えてもらったよう。 2016/06/29
gu
3
ドナルド・エヴァンズ、猫、野球、自転車、相撲、車の運転、と「絶対初心者」という言葉。エッセイ集なのか何なのかわからないけど、ひたすら後味の良い文章だった。2012/07/27
マサ
2
始めのうちはエッセイなのか小説なのかよくわからない不思議な雰囲気。「架空の国々の切手を描く画家」ってそれだけでもう不思議でしょ。挿絵もまた、どこか知らない世界に連れていかれそうな感じでいいね。自動車教習所の話も面白い。2016/01/07
APOM
2
自動車教習所のお話が面白かった。2012/01/27
almondeyed
2
不思議な読後感。個人的には切手についても、猫についても、野球についても、車についても、そんなに思い入れがないのに、グイグイ引き込まれて読めてしまう。ウィリアム・ブレイクの絵にもバットが登場するとは知らなかった。一瞬ここに書かれている事の全てがフィクションに思える程のミスマッチな感覚を覚えたのだが、絵だけではなく、詩にもバットは登場してたのね。ドナルド・エヴァンズという架空の国々の切手ばかりを描いた画家の存在を知ったのも収穫。何故このような人は焼死という運命を辿るのだろう?2012/08/05