内容説明
戦争の犠牲者は人間だけではない。あの時代、犬は軍需材料として命を奪われただけでなく、他国民を殺害する「動物兵士」になって戦場に送られた。
目次
第1章 戦場に送られた犬たち(「動物兵士」としての軍犬;軍用犬の購買と献納;帝国軍用犬協会大阪支部の発足;「愛犬趣味」か「軍犬報国」か)
第2章 犬を「兵士」に仕立てる(民間だのみの「在郷軍犬」づくり;実戦さながらの訓練)
第3章 軍用犬を飼う(「犬籍簿」にみる飼い主の実像;佐野儀太郎の「軍犬報国」)
第4章 軍犬の「武勲」をたたえる(新聞が報じた「軍犬美談」;戦死した軍犬の慰霊祭;数が少ない軍犬碑;軍犬と子どもたち)
第5章 「軍犬報国」の末路(防空演習への参加;飼い犬の供出運動;「軍犬義勇隊」の結成)
著者等紹介
森田敏彦[モリタトシヒコ]
1943年生まれ。1967年大阪市立大学文学部国史専攻卒業。その後、堺市立高校、大阪府立高校に勤務し、2003年退職。この間、大阪府立高等学校教職員組合執行委員(1986年)、大阪教職員組合中央執行委員(1987~1990年)をつとめる。2011年佛教大学日本史専攻博士課程を修了し、文学博士号を認められる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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瑪瑙(サードニックス)
25
軍用犬の事は聞いたことはあっても詳しいことは知りませんでした。大阪は軍用犬の育成にこんなにも力を入れていたなんて知りませんでした。現代の目線からだと、当事、家庭犬を差し出さなければならなかった子供たちが可愛そうでなりません。又教育によって犬がお国の役に立つ、戦地でこんなにも手柄をたてていると教えられた事も可愛そうだと思いました。そして何よりも人を信頼して無言の兵士として戦場に連れていかれた犬たちが一番可愛そうです。もう二度と犬たちが戦争にかりだされる事のないようにしなければなりません。2015/08/18