内容説明
本書は、著者が十年以上にわたって「霧社事件」のフィールドワークをつづけ発表する五冊目の専門書である。主に花岡一郎と花岡二郎のいわゆる「花岡コンプレックス」と「花岡精神」の葛藤の真相を描いたもので、ルポルタージュ文学の手法で「霧社事件」の歴史の真実を明らかにしようとしたものである。
目次
第1部 日本人(嗚咽する濁水渓;霧のなかの花岡コンプレックス ほか)
第2部 霧社の怒り(日本人に似たセイダッカ人;横暴な日本人警察官 ほか)
第3部 最後の酒盛り(日本軍警部隊の大討伐;命を救われた中山清 ほか)
第4部 皇民化運動(川中島移住;生命の再生 ほか)
第5部 風の中の緋桜(「我々はみな中国人だ」;霧社の光と影 ほか)
著者等紹介
〓相揚[トンシャンヤン]
1951年、台湾南投県埔里に生まれる。中台医専医検科卒業。現職は医療検査技師。埔里の牛眠山で育ち、平埔族の人々の文化の消滅と変遷に関心をもつようになる。埔里のキリスト教病院に勤務時、多くの原住民と親しくつきあい、医療検査所開業後、仕事の合間をぬって、霧社事件の調査やタイヤル族、サオ族、平埔族に関するフィールドワークを20年おこなった
下村作次郎[シモムラサクジロウ]
1949年、和歌山県新宮市生まれ。関西大学大学院文学研究科博士課程修了。天理大学国際文化学部教授。2000年9月‐2001年3月、国立成功大学台湾文学研究所客員教授
魚住悦子[ウオズミエツコ]
1954年、兵庫県相生市生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士前期課程修了。国際交流基金関西国際センター日本語教育専門員
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