内容説明
患者教師や人望ある知的患者が、療養所から渡々追放されている。…隔離する側は、彼らの何を恐れて不可解な「危険」を選んだのか。療養所外「社会」のインテリが権力・金・地位の幼稚な価値に迎合して特権に埋没した後も、療養所の知識人は困難且つ地味な自由への闘いを担い続けてきた。…この特権から最も遠い生き方、誠実さは、一体どのように育まれ維持されたのか。そして彼らがどう教育に関わったのか。
目次
第1章 「奇妙な国」(隔離する必要はなかった)
第2章 患者教師と子どもの発見(園内通用学力;療養所における子どもの発見;民主化と特効薬と予防措置;予防法闘争と患者教師と派遣教師;患者教師と分教室自治;ピカイチの授業と普段着の派遣教師;隔離の「空洞化」と最後の子どもたち;新良田教室の失敗;予防法廃止と療養所の知性)
第3章 追放された患者教師(隔離と追放;癩病院の屋根の赤旗)
著者等紹介
樋渡直哉[ヒワタシナオヤ]
1948年鹿児島県志布志町生まれ。熊本市立託麻原小学校入学、早大第一政治経済学部卒業。都立高校退職。東京経済大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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