出版社内容情報
【目次紹介- 抜粋 -】
1 失われた土木を求めて
2 そこに壁があるから
3 それは「アート」ではない
4 上を向いて歩こう
5 世界は粉でできている
6 小屋はスロー風土。
7 アルチザン・デコの窓辺
8 炎と土のモダニズム
9 われら世間遺産探偵団
内容説明
暮らしと風土が生んだ庶民の遺産。建築家なしの名土木から無意識過剰な迷建築まで、306物件。
目次
1 失われた土木を求めて
2 そこに壁があるから
3 それは「アート」ではない
4 上を向いて歩こう
5 世界は粉でできている
6 小屋はスロー風土。
7 アルチザン・デコの窓辺
8 炎と土のモダニズム
9 われら世間遺産探偵団
著者等紹介
藤田洋三[フジタヨウゾウ]
1950年大分県生まれ。写真家。幼い頃より職人仕事に興味を持ち、1976年より大分を拠点に、全国の鏝絵、土壁、石灰窯、藁塚、石積み等の撮影と取材を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホークス
20
キッチュでプリミティブで懐かしい景観のフォトエッセイ。三百件の中にはスサづくり、葛根掘り等の作業風景もあり、三和(たたき)打ちは初めて見た。「なんだこりゃ」と思った後、段々美しく感じられてくる写真が多く、独特な審美眼である。長崎の土神さまや一つ目の石神さまの妖しい力。竃神の恐ろしくも頼もしい姿。驚くほどバラエティに富んだ素材と形態の壁。自然に還りつつある様な風情の小屋。不思議な想像力の鏝絵たち。潔く説教臭くない文章も楽しい。著者の視線には儚いものや滅びゆくものへの慈しみがある。2017/10/21
ROOM 237
15
特に有名ではないその辺の古い民家や蔵の建具細部も、よく見りゃイケてる事に気付かされる民俗学好き寄りに刺さる写真集。どうやら壁に立体的に浮き出るように造られた絵を鏝絵(こてえ)と云うらしい。なくてもいいけどあったら嬉しい存在の3 Dイラスト、これが蔵の灯り取り窓の扉とか屋根と壁の境目にちんまりと意味もなくある遊び心よ。普通の民家の壁になぜかにんじんとヤモリがドーン…可愛い。蔵の外壁も平ではなくウェーブタイプ、生クリーム絞ったケーキみたいなデコ壁もあるなんて知らなかった。壁の材質も勉強になりました。2023/11/12
MOKIZAN
5
大分が本拠地の方とのことで、西日本の写真が圧倒的です。こんな風景たち相当見てきて、しばらく車で走ればまたあるわ、ぐらいの受け止めしかしてこなかったな。早晩それぞれの地から人々が去っても、彼らは変わらぬ居住まいをただしているのだろうか。それにしても今や日本が誇る恥風物、不細工な電線達が鬱陶しい(表紙もそうだが)、景色だけじゃなく、季節も流れる風も切っている。2015/04/28
yanapong
1
鏝絵、ナマコ壁、版築、石積など、普通の人々の生活の痕跡である「世間遺産」の記録続編。“当たり前”のコレクションが如何に貴重なものであるか。しかしそんなことは、当人たちにとっては、殆どどうでもいいことかもしれない。2012/11/16
谷中生産技術研究所 丸山
0
眼のつけどころはとても良いのに必要最小限にとどめるべきだった文章がホントにホントに残念。そこは個人の日記にでもして頂きたかった2018/11/14