内容説明
人々はどのような家に住んでいたか。暮らしの豊かさとは何か。今に残る家々を全国に訪ね、また多くの家の史料を調べてみると、きわめて地域独自の多彩な家であり、開放的で豊かな家であった。地域の風土と文化によって養われた多様性があり、人と人とのつながりを大切に考えてつくられていたのである。図版202点収載。
目次
第1章 武士の家(武士について;江戸時代初めの武士の家;江戸時代中後期の武士の家;武士の家の特質)
第2章 農民の家(中世農民の家;江戸時代初めの農民の家;江戸時代中後期の農民の家;農民の家の特質)
第3章 町人の家(町人と町屋;江戸時代前の町屋;江戸時代の町屋;町屋の特質)
第4章 隠者の家(隠者について;芭蕉の庵と暮らしの風景;良寛の庵と暮らしの風景)
著者等紹介
大岡敏昭[オオオカトシアキ]
昭和19年、神戸市生まれ、熊本県立大学名誉教授。九州大学大学院博士課程(建築学専攻)修了。工学博士。歴史は現在の問題から遡るべきという理念のもとに、古代から現代までの日本住宅と中国住宅、およびその暮らしの風景を研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yyrn
6
たくさんの図版(武家53、農家42、町屋27、隠者の家7)を示しながら、それらを丁寧に解説しているので読むのに時間がかかったが、当時の暮らしぶりを色々想像できた。どんなに小さな下級武士の家でも客をもてなす場を設けていたことの非効率さの中にある武士の精神構造を考えてみたり。また間口二間(にけん)のせいぜい二間(ふたま)の裏長屋での町人の暮らしぶりとはどういうものだったか。農家には囲炉裏があるが、町屋ではせいぜい火鉢があるだけではなかったか。それを思えば、指一本で風呂が沸く今の生活はまるで極楽浄土ではないか?2018/02/10
ウォーカージョン
2
よかつた。でもなぜ芭蕉、なぜ良寛。2020/04/10
インテリ金ちゃん
1
江戸時代の家とは言いながら、古代中国からの文化源流等も紹介され、なるほどの!連続だった。2018/03/04