入管実務マニュアル (改訂版)

入管実務マニュアル (改訂版)

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  • サイズ A5判/ページ数 238p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784877982300
  • NDC分類 329.94

出版社内容情報

2004年改正入管法に対応。入管実務に精通した弁護士が、入管実務のイロハから在留資格・強制退去手続までを丁寧に解説。書式や判例も充実。好評既刊の改訂版ついに刊行。

はしがき

I 総説
 1. 出入国管理と在留資格
  1 法源
  2 在留資格
  3 出入国管理や在留資格制度の指導理念
  4 出入国管理の適正
  5 外国人の手続的権利の保障
  6 外国人の法的地位の安定
  7 外国人の在留利益の保護、在留の必要性
  8 「在留資格がない」ことの意味
 2. 入管の仕組み
  1 入管業務の概要
  2 組織と人事
  3 個別事件と意思決定のシステム
  4 外国人の在留のための法規制の概観

II 入管事件と弁護士実務
 1. 入管事件と弁護士の役割
  1 入管の判断の枠組み
  2 弁護士の役割
 2. ビザ申請
  1 概要
  2 申請に際しての注意点
 3. 在留資格認定証明書交付申請
  1 概要
  2 資格認定の申請にあたっての注意点
  3 ビザ申請の場合の注意点
  4 資料の収集作成
 4. 在留資格の変更
  1 在留資格変更の要件(入管法20条)
  2 変更申請の取扱いに関する内部基準
  3 手続
 5. 不許可処分とそれに対する対処
  1 不許可となったとの相談について
  2 再度の申請
外国での婚姻
  5 婚姻と在留資格
  6 在留資格取得の方法と立証資料
  7 在留資格更新の方法と立証資料
  8 別居と「日本人の配偶者等」の在留資格
  9 日本人配偶者と離婚
  10 弁護士の活動
 3. 子ども
  1 出生による日本国籍の取得
  2 子どもの在留資格
  3 外国籍の子の養子縁組
 4. 日系人
  1 はじめに
  2 日系人の在留資格
  3 在留資格の内容
  4 在留資格取得等の手続
  5 在留資格取得等に際しての注意点
 5. 就労
  1 就労の意義
  2 禁止される就労活動
  3 許される就労の範囲
  4 転職の場合の手続
  5 許可基準(在留資格該当性)
  6 資格外活動許可(就労許可)
 6. 短期滞在
  1 「短期滞在」の在留資格
  2 「短期滞在」の在留資格を取得する方法
  3 「短期滞在」の在留資格の機能
  4 「短期滞在」の変更
  5 「短期滞在」の更新
  6 「短期滞在」と訴えの利益
 7. 定住者・永住者
  1 「定住者」の在留資格
  2 「定住者」の在留資格の利用価値
  3 「定住者」的要件
 2. 出国命令制度
  1 制度の概要
  2 要件
  3 手続
 3. 難民認定手続
  1 難民認定手続の概要
  2 2004年法改正の要点
  3 難民認定申請者に対するシェルター事業

VI 資料
入管申請の際に必要な提出書類リスト
書式
判例
文献

はしがき
 入管は、光と闇が交錯する官庁である。闇は、主に、現在の行政解釈である自由裁量論と人員不足を原因としている。そして、光は、入管内部の穏健派が尊重する人道主義である。入管は、もっと光に包まれなければならない。そのためには、自由裁量論を克服し、人手不足を解消する一方、人道主義をさらに徹底させ、外国人の権利によりいっそうの配慮をしなければならない。
 すなわち、日本に定着する外国人が増加し、ここ数年、国際結婚が激増する等国際的な人的交流が増加しているにもかかわらず、入管職員の増員もままならず、入管事件数は、もはや入管の処理能力をはるかに超えている。とくに多忙な部門では、終電で帰宅できない職員も少なくなく、1週間のうち庁舎に3~4日泊まったとの気の毒な話もある。このような状況下での入管の事実認定や判断は、ともすれば安易に流れることがあり、事実誤認や常識を逸脱した判断が示される事案も決して少なくない。自由裁量を行政解釈としているため、事実認定や判断の根拠のつめが甘い事例が見受けられたり、不合理・不適切な内部基準が放置されることもある。自由裁量論は、入管実務の健全な発展のためには有害無益なのである。さらに、基準の改正も頻繁に行われているにもかかわらず、入管は、内部基準を原則として公表しない。入管事件のノウハウを解説した書籍も、入管側が作成したもののほかはみるべきものがなく、入管事件のノウハウは、実務経験により習得されるほかはない。
 以上のような現状を踏まえ、多くの弁護士等が入管事件を扱うことにより、入管事件の分野に一筋の光を射せないかと考えた。もとより、私たちの経験は浅く、稚拙な試行錯誤を繰り返したに過ぎないので、世に伝えるべき「ノウハウ」と称することはおこがましいが、それでも、私たちが外国人の権利を守る側の立場から学んだことを伝えることにも意義があると考えたのである。本書は、そのような「ノウハウ」を伝えようと試みた結果であるが、いざ執筆してみると、不明なことのほうが多く、どれだけ実務に役に立つものとなったか極めて心許ない。今後、さらに入管事件に勤しみ、本書をより洗練したものにしていきたい。
 本書は、読者として、主に、これから入管事件に取り組もうとする弁護士を想定して執筆した。したがって、用語やいい回しが弁護士特有の部分が多く、弁護士以外の読者にとっては多少読みづらいかもしれない。その点は、ご了承いただ前提としている。他の地方入管によっては、東京よりも格段に厳しい運用がなされていると聞くこともある。より活発な情報交換が望まれる所以である。
2004年夏