台湾の森於菟

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784863669178
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0023

内容説明

鴎外の長男・於菟に関する初の評伝。父の印税に支えられた大宮の豪邸を捨て、骨を埋める覚悟で家族とともに赴いた台湾。戦争の中、学生や学問のために誠実に生きようとした彼には、もうひとつ自力で守らなければいけないものがあった。それは父・鴎外の遺稿…。台湾の「新天地」と「父」の間でゆれる森於菟の人生を描く。

目次

第1部(大宮盆栽村から台湾へ;鴎外の渡台と帰日;台湾と細菌学;台湾協会の発足と於菟の渡台 ほか)
第2部 補遺編(台湾の風土病等管理状況についての補遺;中日戦争と敗戦をめぐる島民問題についての補遺;於菟以後の台湾大学医学部の変化発展についての補遺)

著者等紹介

森常治[モリジョウジ]
1931年、森於菟・森富貴の五男として東京に生まれる。早稲田大学文学部卒業。1971年~2002年、早稲田大学教授。1970~71年、アメリカ・インディアナ州アーラム大学客員教授。アメリカ文学批評、記号学を専攻。現在、早稲田大学名誉教授。詩人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

R

17
森鴎外のお孫さんにあたる方による、森鴎外の息子さんのお話でした。つまるところ父上にあたる方なわけで、その人が鴎外同様にお医者様だったのだが、台灣で教鞭をとり、さらには医学部の中枢で働いておられたというお話であります。随筆というでもないですが、伝記というほど確かでもない、父親の足跡を紡ぎだした文章というところで、家族ならではの視点もあれば、森家が台灣で果たした仕事、役割なんかが語られていて大変興味深いのでありました。仁術は人を助け、また助けられるのだと改めて思い知る一冊でした。2017/08/08

うさえ

0
1936(昭和11)年、台北帝国大学医学部設立に伴い、家族と共に台湾に渡った鷗外の長男於菟は、当地の医学教育に大きな足跡を残した。於菟の五男である著者が、自身の記憶と関係者の残した回想等を手がかりにまとめたものが本書である。鷗外の遺した資料が戦後の混乱の中、無事日本に送り届けられた事情や、占領統治から敗戦にいたるまでの、台湾住民と日本人との関係など、興味深い記事も多いが、やや文章が回りくどく、読むのに苦労する。とはいえ、於菟のエッセーをぜひ読んでみたいという気持ちになった。2023/07/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/7745263
  • ご注意事項