内容説明
寛容の精神を育くむ視角。〓外も、漱石も、紫式部も、複眼の視角でとらえて語る。滋味に富む随筆は米中日の三角関係をはじめ、日本の国柄や神道まで論じて文章は生動する。ダンテ『神曲』の翻訳者、比較文化関係論の碩学が語る84の卓見!
目次
第1部 日本の国柄
第2部 米中日、中韓日の三角関係
第3部 太平洋戦争と大東亜戦争
第4部 日本語と外国語
第5部 書物と私
第6部 なつかしい人
著者等紹介
平川〓弘[ヒラカワスケヒロ]
1931年、東京生まれ。東京大学名誉教授。比較文化史家。フランス、イタリア、ドイツに留学し、北米、フランス、中国、台湾などで教壇に立つ。『東の橘 西のオレンジ』(文藝春秋、サントリー学芸賞)、マンゾーニ『いいなづけ』(翻訳・河出文庫、読売文学賞)。著書に『アーサー・ウェイリー『源氏物語』の翻訳者』(白水社、日本エッセイスト・クラブ賞)、『西洋人の神道観』(河出書房新社、蓮如賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
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日本の国柄:和歌とアイデンティティ 神道の影響 天皇の役割 文化的受容 伝統と未来 国際関係の視点:米中日関係の歴史 中韓日の対立と協力 経済的相互依存 文化交流と外交戦略 戦争の教訓:太平洋戦争の背景と経過 国際的影響 降伏と戦後復興 日本の平和主義 言語と文化:日本語の特徴 外国語教育の重要性 言語とアイデンティティ 文化理解の深化 書物と自己形成:読書体験の影響 文化の理解 自己反省の道具 デジタル時代の書物の価値 歴史と文学:夏目漱石の影響 知識人の役割 日本文学の発展 文化的アイデンティティ探求2025/03/18
みんな本や雑誌が大好き!?
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戦後民主主義を朝日新聞や「世界」を舞台にマルクス史観などでリードした左翼文化人や進歩的文化人への批判なども沢山出てきます。そうした「体制」「大勢」に対して、「反大勢」的な見解を平川さんは述べています。 歴史でも政治でも文化でも「複眼でまずは見る」ことは大事でしょう。その中から、自分自身の考えや見聞などと合致するものがあれば、それをどちらかといえば信用し支持していく。そうやって、個々人の歴史観や政治観などが形成されていくのでしょう。 2025/02/05