内容説明
経済・科学技術の発展に価値をおいた現代資本主義文明は自然と人間を傷つけ、崩壊への道を進んでいる。いま私達は文明の転換を語るべき時代に生きている。経済人類学をひとつの指標として、その可能性と方向性を探る。
目次
経済学が直面している課題とは何か―本書の構成と素描
第一部 人間の経済への接近(人間の経済と「市場」―K・ポランニーの本来的市場論の構造;石牟礼道子の精神世界と現代文明―人間・風土・神々の円環構造の文明論的意味;東日本大震災・原発事故と文明論的課題―生と死の社会経済学)
第二部 柳宗悦の経済思想―用の経済学(日本文明の基層と柳宗悦の世界―手仕事における美と道徳と経済の調和;柳宗悦の「用の世界」論―重層的価値世界の構造;柳宗悦の「こころの経済学」―経済原理としての「物心一如の世界」)
第三部 風土の思想と経済(風土と経済―風土といのちの産業としての農業の再生;風土の思想と経済学―民話の世界の経済学;伝承と創造の経済学―「生における死と再生」の思想)
第四部 文明転換の可能性と方向性(柳宗悦の不二の思想―新型コロナ問題に関連して思考すべきこと;文明転換と経済人類学―現代文明の死と再生の道程)
著者等紹介
前田芳人[マエダヨシト]
1942年生まれ。専攻:世界経済論、社会経済学、経済人類学。西南学院大学名誉教授、経済学博士。おはなし会昔っコ「民話の会むなかた」代表。大阪市立大学(現・大阪公立大学)大学院経済学研究科博士課程修了。八幡大学(現・九州国際大学)教授を経て、西南学院大学経済学部教授。カナダ・モントリオール、コンコーディア大学カール・ポランニー経済学研究所客員研究員(1997年8月~1998年7月)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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