目次
宮沢賢治と比較する
日本の伝統文化と西洋の新思潮
巨大な父/三人の息子
福岡という特別の場所
『近世快人伝』の面白さ
繁栄と廃墟の東京
第三の空間―ロシアと満洲
満洲と韓国の連続性
大震災の東京に入る
ジャーナリスト・久作
「群衆」というアポリア
三・一一報道と何が違うのか
『暗黒公使』の世界
「日本人の堕落時代」へ
著者等紹介
四方田犬彦[ヨモタイヌヒコ]
1953年、大阪府生まれ。専門は比較文化、映像学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かふ
8
両大戦間(第一次と第二次世界戦争)の時期に出てきた群衆というテーマをとらえた夢野久作はドイツで『ベルリン・アレキサンダー広場』を書いたデーブリーンぐらい重要な作家だと。ベルリンと東京だけ表現主義の映画が観られた。日本だと宮沢賢治と比較すると面白いとか。賢治の岩手と久作の福岡、農業の問題、仏教(久作は禅宗を出家してその後に還俗した)、文学では童話作家(久作は童話作家でデビュー)、大正時代の日本の伝統と西洋な新思潮(フロイトやユング、ベルグソン)。2016/02/21
保山ひャン
1
夢野久作を宮沢賢治と比較したり、三つの空間にまとめて語るとか(福岡/ドグラ・マグラ、ゐなか、の、じけん、女坑主、斜坑、骸骨の黒穂、押絵の奇蹟、犬神博士、近世快人伝。東京/東京人の堕落時代、暗黒公使。満洲とロシア/死後の恋、氷の涯)。読み逃しがちな東京を舞台にした作品を、311以降の今こそ読み返す必要がある作品として語る。確かに面白そう。2018/06/26
まんだむ
0
実際に講演を聴いているような気分になり、短い文章だったけれど考えさせられた。2014/12/15