内容説明
本研究では、書くことの教育に関する理論研究の成果を初等・中等国語科教育の指導実践に活用する方法を明らかにした。その結果得られた知見をもとにして、最終的には、書くことの教育に関する新たな理論‐実践モデルを構築する。
目次
第1部 教材編(初等教育における教科書教材の検討;中等教育における教科書教材の検討;日米初等教育における教科書教材の検討)
第2部 指導法編(文章作成に影響を及ぼす要因の検討;文章作成における介入指導プログラムの検討;文章作成指導事例における理論知と実践知の検討)
著者等紹介
清道亜都子[セイドウアツコ]
1971年三重県に生まれる。2010年名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士課程(前期課程)修了。2012年名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士課程(後期課程)修了。博士(教育学)。現在、三重短期大学准教授。教育方法学、国語教育学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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虎哲
3
高等学校国語科教科書における書くこと教材の分析を行っていた際に見つけた先行研究。書くこと教育において認知心理学の理論知と国語教育の実践知を統合させる足掛かりを作ろうとする労作。小中高の教科書における書くこと教材分析、アメリカの小学校教科書との比較、実践研究と盛りだくさんな内容である。日本の教科書における書くこと教材は再帰的なプロセスに触れていないという指摘は頷ける。教科書を「一種の仮想的・集合的実践知」と捉えて分析・検討していくことは教育学の理論知と実践知の統合に大きく寄与し得るのだと示したものと言える。2019/08/26