内容説明
家庭・学校のつながりを失い、渋谷を彷徨っていた中高時代。やりたいことも夢も失くし、学校を中退。妊娠、中絶、DV、リストカット、自殺未遂…。私の周りには、そんな子がたくさんいた―ギャル・ヤンキー・引きこもり…。かき消されてきた、それぞれの声。
目次
1章 私が「ダメな子」になったわけ
2章 希望を失う若者たち
3章 私を変えた外の世界
4章 被災地で出会った中高生のリアル
5章 町の小さな高校と和菓子屋さんの挑戦
6章 若者が夢や希望をもてる社会をつくるには
著者等紹介
仁藤夢乃[ニトウユメノ]
1989年生まれ。中学生の頃から「渋谷ギャル」生活を送り、高校を2年で中退。その後、ある講師との出会いをきっかけにボランティア活動をはじめ、明治学院大学に進学。在学中には高校生を対象とする国際支援のファッションショーを成功させた。東日本大震災後、活動団体「Colabo」を立ち上げ、被災地の高校生と開発した支援金付大福は、発売3ヵ月間で3万3700個を売り上げた。現在は、“難民高校生”の問題を社会に発信するとともに、「若者と社会をつなぐきっかけの場づくり」事業を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
71
著者の仁藤夢乃は、高校時代、家にいても学校にいても落ち着かず、安心して過ごしたり眠ったりできる居場所がなく、渋谷で毎日を過ごす“難民高校生”だった。高校を2年で中退し、河合塾コスモコースに入塾し、よき大人の人との出会いから外の世界とかかわり、大学進学、東日本大震災後の被災地での活動を経て、現在、女子高校生サポートセンター「Colabo」を主宰している。難民高校生の話を中心に、若者が夢や希望がもてる社会へ、ふだん関わることの少ない大人と若者が一緒に何かをすることで若者は視野を広げることができると説く。2015/06/28
としP
29
「〈貧困〉というのは"溜め"のない状態のことだ」本著では思春期の不安定な時期を送る高校生を取り上げている。大人の視線で彼らを理解出来るわけがない。見放せば、「自分は誰にも期待されていない」と反抗的な態度に出る。高校生と大人の間に壁ができている状態だ。こうして、頼れる人がいない(人間関係の溜めがない)"難民高校生"が出来上がるのである。「誰かに何かをしてもらう」ではなく、「自分が誰かに何をできるか?」を考えて実行することが、未来に希望を持って生きる糧になるのだと思う。大人は彼らの可能性を信じてあげてほしい。2017/04/30
凡人太郎
29
大人も考え方を少々考えないとね。2014/05/17
akinbo511
18
22歳の著者だから書けた現実だと思う。家にも学校にも居場所がなく、渋谷で放浪していた女子高生時代の話は壮絶だけど、大学生になって様々な企画を実行していく様子は、応援したくなった。まだまだやりたいことはたくさんあるようなので、これから先著者がどんなことをやってくれるのか期待したい。でも、渋谷時代の仲間たちはどうしているのかが気になるし、心配。 2014/04/18
ねこ
14
著者の考え方は、たしかにそうだなと思うものもあればそれは難しいんじゃないかなと思うものもあります。でも、『おわりに』に書かれていたように、この本のような本は多分書ける時期が限られているというか、ほとんどの人は若者と呼ばれる時にしか書けない本なのではないかと思います。だから書かれた事自体に意味があり、読者がこの考えは大事だなとか、これはさすがに無理じゃないかとか自分の意見を持って考えて読む本だと思います。私は東日本大震災で被災した学校に支援品の文房具が届きすぎて困った話が印象に残りました。2018/08/12