内容説明
記憶のような、予言のような―鋭く、なつかしい言葉たち。第53回短歌研究新人賞受賞作「死と放埓なきみの目と」を含む第一歌集。
目次
1 私はしゃがんで落下傘を拾った(夏の庭;蛍光ペン散らかる床で;キンダーガーデン・シンドローム ほか)
2 死と放埓なきみの目と(ヘッドフォン;死と放埓なきみの目と;ポートランド遠景/近景 ほか)
3 明け方の線路をあるく(明け方の線路をあるく;ヒューマンビヘイビア;グロリア ほか)
著者等紹介
山崎聡子[ヤマザキサトコ]
1982年栃木県生まれ。2002年早稲田短歌会入会。2010年「私と放埓なきみの目と」で第53回短歌研究新人賞受賞。現在、「pool」、「ガルマン歌会」に参加(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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太田青磁
9
学校の水道水は鉄のあじ血のあじ噛みしめるごと飲み干している・手のひらに西瓜の種を載せている撃たれたような君のてのひら・夕闇のきみ、指先にて湿りゆくマルボロあれを花火と呼ぼう・血液を体内に飼うものとしてわれ剥製の鹿をかなしむ・錆びついた共同シャワーをひねりつつ低い声だす練習をする・さみしいではなく、いなくてさみしいということ、miss you と簡単に書く・湿らせた青い切手よわたくしの体温うすく保って届け・感情はときに水場のようにあり揺れるぬるい水、あたたかい水2021/09/21
すずき
3
ノスタルジーが大きな比重を占める。名詞の歌の人だなと思う。2017/11/08
浦和みかん
3
読む力がないからなんだろうけど、比喩などが腹まで落ちない歌が多かった。全3部中の第3部では歌の対象も広がり、比較的に納得できる、楽しめる歌が増えたように思う。2015/10/06
石井は生きている
2
一首のバランス感覚がすごい。2017/01/05
k
2
蝶々を素手で掴んでいるようなきみの手紙の長き追伸2014/02/05