内容説明
「つまらないサッカー」は極右への賛辞?「自分たちのサッカー」は極左の常套句?勝つために手段を選ばない者たちと、美しく勝つことにこだわる者たちの戦いで、サッカーは進化してきた。
目次
1 右翼のサッカーと左翼のサッカー(左派の賢人メノッティの言葉;スコットランドで生まれた左翼のサッカー ほか)
2 右派と左派の肖像1(気鋭の右派ディエゴ・シメオネのアトレティコ・マドリー;極左の巨星・グアルディオラ ほか)
3 右派と左派の肖像2(左も極めれば右;クロップのアナーキーな魅力 ほか)
4 ナショナルチームの右翼と左翼(ブラジルフッチボウル・アルテという遺産;イタリア1‐0のDNA ほか)
5 欧州サッカーにみる右翼と左翼の興亡小史(スコットランドが伝えた左翼のサッカー;ハンガリアン・ラプソティ ほか)
著者等紹介
西部謙司[ニシベケンジ]
1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部を卒業し、商社に就職するも3年で退社。学研『ストライカー』の編集記者を経て、02年からフリーランスとして活動。95年から98年までパリに在住し、ヨーロッパサッカーを中心に取材。現在は千葉市に住み、タグマ版「犬の生活」を連載中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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こも 零細企業営業
20
俺、右派のサッカーが好きなようだ。と、言ってもネルシーニョ監督のサッカーと石崎監督のサッカーが好きってだけ。左派の吉田監督、下平監督のサッカーは幅が無いから好きになれなかった。2020/11/20
ふろんた
17
海外チームで説明されるとちょっとわかりづらい。Jリーグでやって欲しいな。フロンターレは極左でしょうね。極左がリーグ制覇したことに意義がある。「自分たちのサッカー」は結果が出ないとすごい非難を浴びてるような気がする。2017/12/08
シャル
9
サッカーを巡る二つの価値観、守り固め自由を奪う勝利至上主義『サッカー右翼』と技術を発揮し美しい自分たちらしいサッカーを貫く『サッカー左翼』。その歴史と、代表的な監督の姿、そしてそこにある哲学を解きほぐしていく本。サッカーが勝負事である以上勝利を目指すのは当然であるが、そこにどうアプローチするかで見える世界もある。美しいサッカーこそが必ずしも支持されるものでもなく、勝利を求める中で人生を見出すようなチームもあるし、パスワークのための規律を固めるチームもある。スポーツを通して価値観が見えてくることもあるのだ。2017/11/04
鳥義賊
4
メノッティとビラルドとか懐かし~。82年スペイン大会のアルゼンチンってマラドーナ、ディアスに前大会MVPのマリオ・ケンペスがいる物凄いメンバーだったし、それをボコボコにしたブラジルには黄金のカルテットがいたけど、フランスにもプラティニ率いる夢の中盤がいたけど、それらを破って決勝進出したドイツとイタリアは「右翼のサッカー」だったなあ。目指すスタイルを貫く強さか、目前の相手に勝つために最善のサッカーをするかに話は極まるのだと思いました。2018/01/11
遊た(ゆうた)
4
サッカーの戦術を右派と左派というふうに対立する二項に分けて解説した本。ちなみに、政治における右派と左派とは何の関係もありません。勝利至上主義で守備重視の右派、勝ち方にこだわるポゼッション主体の攻撃重視の左派という分け方だ。わかりやすいが深みのある内容の本なのでサッカーを知らない人が読んでも読みごたえがある本だと思う。2017/04/30