内容説明
イスラームの聖典(「コーラン」)、正統10伝承異伝全訳と精密な訳解による世界初、唯一の翻訳。
目次
開端
雌牛
イムラーン家
女性
食卓
家畜
高壁
戦利品
悔悟
ユーヌス〔ほか〕
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
26
みっちり分量があるのだけれど、解説を読み込むのに時間が掛かる感じか。後は「慈悲深く慈愛あまねき」という定形句的訳語がなじみ深かったのだが、これが全て「慈悲あまねく慈悲深き」になってるのに戸惑ったりそれ位。これもal-raḥmānとal-raḥīmいうことで同じ訳語を選択したと言う事で逆に厳密にした感はある。冒頭の本書における翻訳の方針と巻末のクルアーン正統十読誦を参照しつつ再度読み進める事になるかなぁ?基本的なスンニ派の解釈に関してはこの辺を軸にハディースなんかも読んでけばいいんじゃないかな?という(続2014/09/27
Haruka Fukuhara
4
眺めたというか。前書きはちゃんと読んだけど、日本におけるコーラン翻訳の歴史がわかって面白かった。大川周明、井筒俊彦含めかなりの翻訳があって最初のものは大正の世に登場したらしい。対訳ということで毎頁アラビア語が載っている。不思議だけど綺麗な文字。日本語も昔の書き言葉はもっと綺麗だった。全然読めないけどいつか手を伸ばせたらいい。2017/02/19
takao
3
クルアーンは予言者ムハンマドの肉声のアラビア語の読誦が現在に至るまで口伝えで伝承されている。アラビア語のクルアーンのみがクルアーンである。 2021/02/09
かふん
1
イスラームの根本聖典であるクルアーンを、従来の訳とは一線を画す視点から捉えた意欲的な一冊です。最大の特徴は、「正統十読誦」という、クルアーンの伝承における異伝を網羅的に収録し、翻訳している点にあります。これにより、単一の解釈に偏ることなく、多角的な視点からクルアーンの理解を深めることが可能となっています。2024/12/21
ドウ
1
言わずとしれたイスラーム教の聖典の注釈書(クルアーンは翻訳したらクルアーンではなくなるのです)。5年前に井筒版を読んで以来の再読。それまでドイツ史をやろうと思っていた人間(私)に、読んだだけでイスラーム教関連のことをやりたいと思わせた書物で再読でもなお圧倒される。井筒版は訳を1つに限定していたが、多様な読み・解釈可能性を孕むことこそが、イスラーム教の文化的・宗教的多様性を生み出してきたと思うので、こちらの注釈の細やかさは素晴らしい。ネックは本のサイズだけ(ベッドでしか読めず時間がかかった)。2017/08/27