内容説明
フランス革命、ロシア革命、連合赤軍、ポル・ポト、オウム事件、9・11テロ…、なぜ、21世紀の今日に至るまで、人々を解放するはずの思想=観念は、テロと殺掠、そして終わりなき“暴力”を生み出すのか?刊行時大反響を呼んだ作家の原点。連合赤軍事件とパリへの“亡命”という自らの“68年”体験を綴りながら、21世紀以降の未来に向けた新たなる書き下ろしとともに、復活。
目次
観念の廃墟
1 自己観念(観念の発生;観念の欺瞞 ほか)
2 共同観念(観念の矛盾;観念の逆説 ほか)
3 集合観念(観念の対抗;観念の転変 ほか)
4 党派観念(観念の顛倒;観念の簒奪 ほか)
観念の浄化
補論 68年ラディカリズムの運命―『テロルの現象学』以後三十年
著者等紹介
笠井潔[カサイキヨシ]
1948年東京都生まれ。79年にデビュー作『バイバイ、エンジェル』(東京創元社)で第6回角川小説賞を受賞。ミステリ作家、SF作家として活躍する傍ら、精力的な評論活動を展開。98年に『本格ミステリの現在』の編者として第51回日本推理作家協会賞を受賞、2003年には『オイディプス症候群』(光文社)、『探偵小説論序説』(光文社)で、第3回本格ミステリ大賞を、小説、評論・研究の両部門で受賞。2012年『探偵小説と叙述トリック』(東京創元社)で第12回本格ミステリ大賞評論・研究部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミスター
5
笠井潔は近代を進歩させようとするマルクス主義の観念が悪魔へと転化することを問題にし、悪魔に接近しながらギリギリの地点で蜂起につながる可能性を本書で模索している。言うまでもなく、ここで「悪夢」だとされているのは「テロル」だと思うが、しかしこれは良い人だと思われたいだけでは?と感じてしまった。笠井は千坂恭二を引いて学生の就職問題に繋がる。そして社会運動から成熟して大人になる一般的な成熟モデルの欺瞞を批判しながら68年的独り革命も否定するが、それはどうなのかと思う。笠井潔の中には隠れた戦後派が生きている。2020/06/16
なつのおすすめあにめ
4
押井守が単行本と文庫本、蛍光ペンで塗りつぶすくらい読み込んで、なお新版も読んでいるらしいときいて読む。コリン・ウィルソンの『アウトサイダー』と共鳴する気もしたが、あちらはテロリズムとか革命に興味なさそうだった気がする。調べたらどうやら対談してたらしく、やはり話は噛み合わなかったらしい。『アウトサイダー』における<肉体的アウトサイダー>・<感情的アウトサイダー>・<精神的アウトサイダー>と、『テクストの現象学』・『エロスの現象学』・『ユートピアの現象学』という三部作の構想などの三重性……、三重が重要なのか。2019/09/14
imo
1
ジラール『欲望の現象学』と並んで、人間の活動における形而上的領域の重要性がわかる一冊。補論では、68年ラディカリズムの今日における可能性と限界が示されている。2013/07/14
岸田解
0
難儀さ。2016/04/29
むしざわ
0
学生運動関連は読メに登録しないつもりだったけど、自分の見解との相違も含めてこの本からは得るものが多かった。確かに違うけれどもこういう角度の視点は羨ましくもある。「68年」熱再発。2014/03/07




