内容説明
未完の主著『存在と時間』の欠落を補う最重要の講義録。アリストテレス、カント、ヘーゲルと主要存在論を検証しつつ時間性に基づく現存在の根源的存在構造を解き明かす。
目次
第1部 存在に関するいくつかの伝統的テーゼについての現象学的批判的な論究(カントのテーゼ「存在はレアールな述語ではない」;アリストテレスにまで遡る中世存在論のテーゼ「存在者の存在構造には“何であるかということ”、つまり本質存在と、可能な事物的眼前存在、つまり事実存在が属する」;近代存在論のテーゼ「存在の根本様態は、自然の存在つまり広ガリノアルモノと、精神の存在つまり思考スルモノである」;論理学のテーゼ「すべての存在者はそのつどの存在様態には関わりなく『である』によって語られうる」。繋辞としての存在)
第2部 存在一般の意味についての基礎存在論的な問い。存在の根本諸構造と根本諸様態(存在論的差異の問題)