内容説明
男二人の事務所から世界企業へ、南西ドイツ・プファルツ山地の農家の息子から一八〇〇人の社員を抱える企業の社長へ。しかし、マティアス・ヴィレンバッハーの本当の夢は違います。―それは、核の廃棄物と石炭の大気汚染がない世界。目指すは『一〇〇%再生可能エネルギーへの決断―しかも今すぐに』。そのためのレールを敷けるのはただ一人―アンゲラ・メルケル。ゆえにヴィレンバッハーは、首相に『不道徳な提案』を行います。首相が提案を飲むならば、巨額の売上を持つ自社を贈呈する、というディールです。ドイツが誇る再生可能エネルギー開発会社であるjuwi社。その設立者で所有者である著者を間近に知り、著者と共に大陸を超え、コスタリカの風車からエリトリアのソーラー設備まで、エネルギーヴェンデを巡る時の旅に出ましょう。著者ヴィレンバッハーが、政治家との多様な体験を語り、『マスタープラン』によって新しいエネルギーシステムの重要なポイントを分かり易く説明します。
目次
私からの不道徳な提案
エネルギーヴェンデが座礁する。さて、どうする?
はじめての風車
決断の瞬間
エネルギーヴェンデの大黒柱は市民
最良の開発途上国支援はソーラーパネル
これが一〇〇%ビジョン
自動車を発明し直す
システム間の戦い
未来への展望
ザ・マスター・プラン
メルケル首相、世界中の社会に未来を与えてください!
著者等紹介
ヴィレンバッハー,マティアス[ヴィレンバッハー,マティアス] [Willenbacher,Matthias]
南西ドイツの人口50人の農村に生まれ育ち、1996年に両親の農家にはじめての風車を建設。フレッド・ユングと共に地元でjuwi社を設立。1700人の従業員を抱え、世界中で再生可能エネルギー設備の開発に携わり、多大な売り上げを持つ同社を率いる。物理学位取得者。再生可能エネルギーによるエネルギー大転換の情熱的なパイオニアとしてドイツでは広く知られ、受賞多数
滝川薫[タキガワカオリ]
環境ジャーナリスト、植栽設計士、スイス在住。1975年生まれ。東京外国語大学イタリア語学科・オーシュベルク造園学校修了。1999年よりスイスおよび欧州中部を拠点に環境・エネルギーをテーマとした執筆、視察案内、通訳・翻訳、講演活動を行う。MIT Energy Vision社共同代表。同社では、欧州中部から日本へ、エネルギーヴェンデのノウハウトランスファーを行う
村上敦[ムラカミアツシ]
ジャーナリスト、環境コンサルタント、ドイツ在住。1971年生まれ。執筆、講演などでドイツの環境政策、エネルギー政策、都市計画制度を日本に紹介する。「一般社団法人・クラブヴォーバン」代表、「日本エネルギーパス協会」アドヴァイザー、「日本エネルギー機関」顧問。MIT Energy Vision社共同代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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