出版社内容情報
里山とは、人の手が入った森林や農地が存在する山地・丘陵地・台地のことです。おもに奥深い自然環境と人が多く住む地域のあいだにあって、独自の生態系が築かれてきました。日本では古くから物語や唱歌に登場し、生活に欠かせない場所として親しまれていました。
これまで里山は、人の手が入ることによって豊かな自然環境が維持され、「資源」「水源」「砂防」「生物多様性」「緩衝緑地」など、様々な役割を担ってきました。しかし近年は、その魅力が注目されつつも、里地里山は減少・荒廃し、様々な問題を引き起こしています。最近、クマが人の居住地域に出没するようになったことも、里山のような緩衝地帯が失われていることが理由の一つと言われています。
本書では、日本人にとって身近な自然環境であった里山について、その景観の成り立ちや生態系、そして役割・機能から保全までを、科学的・歴史的・社会的な視点でわかりやすく解説しています。「里山って何?」という方でも、写真や図版を豊富に盛り込んだこの一冊で、里山にまつわる事柄の全体像が理解できるようになっています。長らく里山の実地研究と保全活動に携わってきた里山湿地研究所の地理学者が著した、まったく新しい「里山の教科書」です。
【目次】
内容説明
里山について、生態系や動植物などの自然環境だけでなく、社会的・歴史的背景も掘り下げ、さらに保全に関わる実践的内容についても解説しました。
目次
第1章 まず知っておきたい里山の基礎知識
第2章 里山を構成する様々な景観要素
第3章 里山に生きる仲間たち
第4章 里山で人は自然とこう向き合ってきた
第5章 今、里山が大変だ!
第6章 里山を保全するための考え方
第7章 里山へ行ってみよう!
著者等紹介
富田啓介[トミタケイスケ]
1980年愛知県生まれ。2009年、名古屋大学大学院環境学研究科修了。博士(地理学)。法政大学文学部助教、愛知学院大学准教授、愛知教育大学准教授等を経て、2025年からフリーランス研究者(里山湿地研究所代表)。専門は自然地理学、特に地生態学。里地里山における生物生息地の成り立ちや、人と自然の関わりに関する研究を行いつつ、ため池や湿地を中心とした自然環境の保全・活用に関する業務を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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