出版社内容情報
毒が人の健康、命を奪うものである一方、薬は人を怪我や病気の苦しみから救ってくれるものです。しかし昔から「薬と毒は匙加減」というように、毒と薬の違いは簡単に言えば使用料の違いにあります。多くの医薬品は、少量を使うから薬になるのであり、大量に使えば副作用で人の命を奪うことになります。毒と薬は化学的な目で見れば、多くの場合、同じ化学物質と言えるのです。
本書では、植物、動物、鉱物等、多くの天然物に含まれる毒成分を明らかにし、毒物がどのような作用によって人の健康を害し、命を縮めるか、また、それが薬として利用されることはあるのか、あるとしたらどのような効用があるのかも解説していきます。
内容説明
「毒」は人類の歴史の中で無数の人の命を奪ってきました。しかし一方で、古くは矢毒で狩猟に使われたり、今では農業で欠かせないものともなっています。「薬」はこちらも人類の歴史の中で無数の人の病気や怪我を治癒してきました。しかし、使われ方を間違えたり大量に摂取したりすると、一転して人の健康を奪うものとなります。本書では、この一見相反する「毒と薬」がどのような関係にあるのかに注目しながら、毒と薬の科学を解説していきます。
目次
第1章 毒と薬はどう違うのか?
第2章 毒か薬か、それが問題だ!
第3章 毒は如何にして人を殺すのか?
第4章 植物・菌類のもつ毒性と薬性
第5章 動物のもつ毒性と薬性
第6章 化学物質のもつ毒性と薬性
第7章 麻薬・覚せい剤の毒性とはどのようなものか
第8章 天然物から生まれた医薬品
第9章 化学合成薬は人為的に作られた医薬品
第10章 ヒトを救う「未来の医薬品」の候補たち
著者等紹介
齋藤勝裕[サイトウカツヒロ]
1945年5月3日生まれ。1974年、東北大学大学院理学研究科博士課程修了、現在は名古屋工業大学名誉教授。理学博士。専門分野は有機化学、物理化学、光化学、超分子化学。著書は200冊以上(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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