出版社内容情報
2016年のノーベル文学賞受賞式でのボブ・ディランのスピーチは、代理人が読み上げたためか日本で取り上げられることは多くありませんでした。しかしその内容は素晴らしく、しっかりした構成とよく練られた文になっており、スピーチのお手本ともいえるものでした。ただ、英語自体はやさしいのに、そのメッセージをしっかり受け取るにはかなり高いレベルの読解力を必要とします。
本書ではこのスピーチの1文1文を丁寧に読み解いていきます。
そして、どうしてこのスピーチが感動を与えるものになっているのか、そのテクニックについても詳しく解説していきます。
内容説明
ノーベル文学賞の選考委員は、ディランをシンガーとしてでなければ作詞家としてでもなく、詩人として評価してノーベル文学賞を授与した。ボブ・ディランはシェイクスピアだ!行間を読み、書き手の気持ちを感じ取る。
目次
ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞スピーチ全文
スピーチの徹底解説
全文意訳―ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞スピーチ
著者等紹介
畠山雄二[ハタケヤマユウジ]
1966年浜松生まれ。東北大学大学院情報科学研究科博士課程修了。博士(情報科学)。現在、東京農工大学准教授。専門は理論言語学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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momogaga
48
ボブ・ディランはこれまで苦手だったんですが、この本のおかげでフアンになれそうです。私にとってこのスピーチは、ジョン・F・ケネディの大統領就任演説の次に好きなスピーチになりました。2019/03/28
Roko
28
2016年にディランがノーベル文学賞しました。本人は授賞式に出席しませんでしたが、アジタ・ラジ駐スウェーデン米大使によって、彼のスピーチが読上げられました。短い文章ですが、ディランはかなり気を使って書いていることがわかります。ディラン自身、ノーベル文学賞を受賞するなんて想像もしてなかったのでしょう。受賞に対していろんなことを言う人がいるけれど、自分が生みだした詩を多くの人が認めてくれ、それをノーベル文学賞を決めるスウェーデン・アカデミーもそれを認めたんだから、それでいいだろう? ということなのだ思います。2025/04/17
あつ子🐈⬛
8
2016年にディラン氏がノーベル文学賞を受賞した時は度肝を抜かれたものです。音楽業界からも文学界からも賛否両論あったそうですが、私は嬉しかった。授賞式当日は都合がつかず本人は欠席でしたが、代読された受賞スピーチのなかで、礼儀正しく謝意を述べるとともに音楽や文学の歴史に対する敬意もおりこんであり大変良かった。"スピーチのお手本"と著者が言うの分かります。 貰うもの貰っておいて茶化したり反権力気取るのがロックじゃねえぞと、日本のミュージシャンもどきには強く言いたい(`・ω・´)2022/09/22
plum
2
詩人としての文学賞受賞。シェイクスピアは,自分のことを作家とは思っていなかったんじゃないかな~(reckon)→劇作家だと思っていたと思うのですp54。彼のことばは舞台のために書かれたものでしたp58。ディランに影響を受けた人としてデビッドボウイの写真があった。2024/09/13