内容説明
さまざまな物理学者が知恵を出し合い、骨身を削って築き上げてきた壮大な理論体系である量子論。彼らはどのようにして非日常的なミクロの世界の法則を発見していったのか、どのようにして常識では理解の困難な量子の世界の出来事を理解してきたのか、そして今、どのような問題が議論されているのか。
目次
第1章 「量子の世界」とは?
第2章 量子概念はどのようにして形成されたか
第3章 「波動」と「粒子」の二重性
第4章 量子力学
第5章 量子力学の応用
第6章 原子核・素粒子・宇宙
第7章 物性論
著者等紹介
五十嵐靖則[イガラシヤスノリ]
1943年生まれ。東京理科大学大学院理学研究科博士課程物理学専攻卒業。東京都公立高等学校教諭、東京都立教育研究所指導主事、同研究所統括指導主事などを経て、小平市立小平第四中学校長を勤める。現在は、東京理科大学理学部非常勤講師(講義実験を担当)この間、物理教育学会編集委員、評議委員及び物理教育用語委員会委員、文部省高等学校学習指導要領作成協力者委員(物理部会副委員長)等を勤める傍ら、わかりやすい物理を目指して様々な教材や教具の開発に尽力。21世紀は、量子論が一般教養となる時代と考えその普及に努めている。専門は、理論物理学、理科教育学、科学史、科学哲学、認知科学
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感想・レビュー
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BluesGilimeno
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光と電子が粒子と波動の二重性を持つところまではよく理解できる。波であると思われていた光に粒子の性質があり、粒子だと思われていた電子に波動の性質がある。量子力学の本にはよく書いてあることだが、それに気づくまでが大変だったのだろう。電子が波動であることを考えると、電子軌道に定常はができるための条件として、ボーアの量子条件が出てくる。粒子と波動の二重性を記述する「作用量子」の存在から不確定性原理が出てくる。波動関数は存在確率を表すが「位置が確率的にしか予測できない」のではなく、自分自身と干渉する。これは難しい。2022/02/21