出版社内容情報
誰にでも言えなかった過去があるのでは。壮絶な半生と向き合った山崎洋子渾身の書下ろし。心に傷を持ち生きる全ての人に寄り添う一冊
内容説明
作家・山崎洋子渾身の書き下ろし自分史エッセイ。祖母の入水自殺、虐待、父の失踪、母との愛憎、自らもまた離婚・再婚、夫の介護、母の痴呆…それでも、66歳の今、生きてきた年月がいとおしい。
目次
1 忘れられた子供(父の花嫁;罌粟の咲く家;座敷童子が出て行った ほか)
2 「血」はやっかいなもの(血の繋がりってなんだろう―父のこと;血の繋がりってなんだろう―母のこと;勉強嫌いのツケは必ず回ってくる ほか)
3 事件はまだまだ起きる(認知症のはじまり;母を施設へ;一人暮らしが鍵をなくすと ほか)
著者等紹介
山崎洋子[ヤマザキヨウコ]
1947年、京都府宮津市生まれ。コピーライター、児童読物作家、脚本家を経て、1986年、『花園の迷宮』(講談社)で第32回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家デビュー。ノンフィクション、舞台脚本、演出などにも活動を拡げている。2010年、地域放送文化賞(NHK主催)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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カボ
2
明るく振舞ってる人ほど、暗い部分を乗り越えてるのかもしれない。心が強くなきゃ、この本は書けないと思う。近頃の理不尽な殺人者に、山崎さんの爪の垢を飲ませて欲しい。最後の「合法的な安楽死」については同感。2014/11/01
尿酸値高杉晋作
2
非常に複雑な家庭環境で育った著者。 一見、何不自由無く両親に育てられた人(自分も含めて)には関係無さそうな話ではあるが、そうでは無かった。 親族への愛憎渦巻く感情に多数共感出来た。 故に読んでいてキツい気分になった箇所も多数。 知らず知らず内省させられる書でした。2014/08/18
Hiroyuki Nakajima
1
本を読ませて頂いて次々と複雑な状況に追い込まれながらも乗り越えていく力強さに驚きました。自分が苦労した体験など取るに足らない出来事に思えて来ました。横浜の寿町には勤め先が近いのでたまに通りますが、その町の人達に良い印象を持っていませんでしたが、この本を読んで見方が変わりました。2014/06/26