内容説明
自由な空気と狂気が混在する60年代。アメリカ東部の名門私立大学で殺人事件が発生!私立探偵ストレンジウェイズが謎に迫る。
著者等紹介
ブレイク,ニコラス[ブレイク,ニコラス] [Blake,Nicholas]
1904‐1972。本名セシル・デイ・ルイス。アイルランド、クイーンズ州(現リーシュ州)バリンタバート生まれ。オックスフォード大学在学中に処女詩集を刊行。卒業後は教員生活を経て情報省に入るが、第二次世界大戦後は再び教職に戻った。1935年に『証拠の問題』を発表して作家デビュー。代表作『野獣死すべし』(38)は江戸川乱歩に絶賛され、晩年の長編『秘められた傷』(68)はCWA賞シルヴァー・ダガー賞を受賞している。詩人としても活躍し、68年にはイギリスの詩人として最高の地位である桂冠詩人に任命された
熊木信太郎[クマキシンタロウ]
北海道大学経済学部卒業。都市銀行、出版社勤務を経て、現在は翻訳者。出版業にも従事している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紅はこべ
75
副題をつけるとすれば、「ナイジェル、アメリカに行く」かな。舞台が殆ど大学なので、あまりアメリカらしさはないが。マッカーシズム華やかなりし頃。アイルランド詩人とアメリカ人学者がナイジェルを加えて論争する場面で、アメリカ人がアイルランドの独立闘争を認めていないのが興味深い。自分達は武器をとって独立を勝ち取ったのにね。トリックとしてはアリバイものかな。容疑者は複数だが、基本的には二択。ナイジェルは殺人を犯すに至る人格に興味があるみたい。アメフトのシーンがあるのが一興。ナイジェルのゲス行為にはちょっとがっかり。2017/01/14
本木英朗
24
英国の本格ミステリ作家のひとりである、ニコラス・ブレイクの長編のひとつである。自由な空気と凶器が混在する60年代アメリカ東部の名門私立大学で殺人事件が発生! 私立探偵ストレンジウェイズが謎に迫る!!という話だ。なんとこの長編が、最後の未役作品であったというところも併せて、超凄かった!の一言である。もちろん、俺は真相も真犯人も、どっちも分からなかった。名探偵ストレンジウェイズ、そして作者の名推理を黙って読むしかないってば!! 大満足でした。またいつか読もうと思う。2023/03/06
飛鳥栄司@がんサバイバー
9
これがナイジェル・ストレンジウェイズの最後の長編。今まで未訳で残っていたのが不思議なくらい。往年のキレは陰を潜ませてしまった印象。舞台は60年台のアメリカ。ナイジェルはずっとイギリスで活躍していたので、この設定自体はとても新鮮だった。事件解決までにここまでもたつくとは思っても見なかった。トリックらしいトリックもなく、登場人物も少ないし、わりとわかりやすい犯人にもかかわらずだ。作者は当時のアメリカを風刺するわけでもなく、何か物足りなさが読後に残る。ナイジェルの最後なので、もっと華々しくして欲しかったなぁ。2015/01/16
カーゾン
4
M:最後のストレンジウェイものでさすがに作者もくたびれてきたか。フットボール場のシーンとか登場人物の女性と寝ちゃうとかでブレイクもちょっと違う景色を見せたかったのかしらん? 記念碑的な作品として読むのが吉。2021/01/19
狩屋
1
7.0/102014/11/21