内容説明
鯱先生、不可能犯罪に挑む!『薫大将と匂の宮』の作者による異色ユーモア・ミステリ連作に、幻のデビュー作「天の邪鬼」、入魂の長編「紅い頚巻」を配した初期傑作選。
著者等紹介
岡田鯱彦[オカダシャチヒコ]
1907(明40)年、東京生まれ。本名・藤吉。東京帝国大学国文科卒。名古屋陸軍幼年学校教官を経て、49(昭24)年から東京学芸大学教授に就任。定年後は聖徳学園短期大学教授を務める。49年、ユーモア小説「天の邪鬼」が懸賞に当選。同年、「妖鬼の呪言」が『宝石』短篇懸賞の選外佳作に、「噴火口上の殺人」を『ロック』の懸賞に1席入選。本格長編の他、怪奇幻想作品を発表するなど、作風の幅は広い。62年で創作は途絶え、73年に活動を再開したが、76年に捕物帳連作を最後に再び沈黙した。1993(平5)年、歿
横井司[ヨコイツカサ]
1962年、石川県金沢市に生まれる。大東文化大学文学部日本文学科卒業。専修大学大学院文学研究科博士後期課程修了。95年、戦前の探偵小説に関する論考で、博士(文学)学位取得。現在、専修大学人文科学研究所特別研究員。日本推理作家協会・本格ミステリ作家クラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kouro-hou
13
戦後の国文学者で探偵作家。横溝ついてのエッセイが収録されているというので入手したらコレではなく2巻の方だったようです。ヤッチマッタナー! でもってこちらは中篇「紅い頸巻」と怪盗鯱先生の連作の物盗り帳(捕物帳ではない)と短篇を収録。「紅い頸巻」は冒頭に語り手が「俺がボンクラなために彼女も犯人も全滅しました」とネタを割って回想する形式。語り手のボンクラぶりが見事であまり楽しい読書ではありませんw 他にも犯人の挑発にわざわざ乗って雪山から崖からゴロゴロ落ちる展開が多いです。文学派の人なので文章は読ませます。2014/11/11
やっす
4
以前読んだ『岡田鯱彦名作選』と比べるとミステリとしての重量感には欠けるかなという印象。読み物としては面白いんだけど、本格ミステリを求めて読むと少々物足りないと感じてしまいます。続く二巻の方にこそ本格味の強い作品が集まってそうなので、そちらに期待しようかな。2015/04/11
kanamori
0
☆☆☆2014/09/26