内容説明
第三巻には、「龍神」、一〇八回分(大正四年四月七日~七月二十三日)と、第四回連載「間の山」、六七回分(大正六年十月二十五日~十二月三十日)を合わせて収めた。
著者等紹介
中里介山[ナカザトカイザン]
明治18(1885)年、神奈川県西多摩郡羽村(現、東京都羽村市)生まれ。13歳で上京し、電話交換手、小学校教員となり、平民社周辺の社会主義運動に参加。その後、社会主義を離れ、明治39年に都新聞社(現在の東京新聞社)に入社する。明治42年に初の新聞連載小説を執筆し、未完の大作となる「大菩薩峠」は大正2(1913)年より連載を開始。都新聞での連載終了後は、東京郊外に居を構えて、大阪毎日新聞(東京日日新聞)、国民新聞、読売新聞、介山が出版する雑誌『隣人之友』などに書き継いだが、昭和19(1944)年に腸チフスにより逝去
井川洗〓[イカワセンガイ]
明治9(1876)年、岐阜県生まれ。日本画の富岡永洗に師事し、明治39年からは都新聞社に入社して、新聞連載小説の挿絵を描いた。時代物を得意とし、その後『講談倶楽部』の表紙や口絵によって注目されると、『キング』、『冨士』、『少女画報』などでも筆を揮い、挿絵専業画家の先駆者となった。昭和36(1961)年に死去。享年85歳
伊東祐吏[イトウユウジ]
1974年、東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業。名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みつ
19
都新聞版第3巻では、間に2年以上の中断を挟む「龍神」「間の山」を収録。机竜之介を慕うお豊に対し、彼はあくまでも冷淡。切腹して果てようとする天誅組の仲間たちに対しひとり同調しない彼は、やはり一匹狼がふさわしい。彼をも戦慄させた凄腕の剣術師島田虎之助の行く末は、筑摩書房の単行本よりもずっと省略される。「間の山」に至り、被差別民の出身で文字が読めない芸人お玉、彼女に添う犬のムク、異形の怪力男米友、全て十八文で治療を請け負う八方破れの医師道庵と、新たな役者が揃い、敵討ちの物語から逸脱し始め、いよいよ面白くなる。2023/02/11
きょちょ
14
大菩薩峠が面白い理由は沢山ある。 その1つは、読者を引き込む文章。 さらに、この時代の風俗が垣間見え、武士以外の階級の人々の姿が、幸も不幸もまざまざと描かれている所。 さて、この巻は、都新聞第三回連載の「龍神」と第四回連載の「間の山」。 「龍神」では、机龍之助が新撰組から天誅組に鞍替えし,失明してしまう。 最後に龍之介が見る夢は、彼の人間らしさが描かれる。 「間の山」は、ちょっと話は小ぶり。 でも、登場する女性群が良いなぁ。 お豊などは、まさしく「虚無」・・・あぁ実に悲しい人生を送った女性だ。 ★★★★2016/02/14
あけの
5
机龍之助最低だなとおもってたけど なんかだんだんイイ男に見えてきた(笑) 不良マジック?2020/11/07
Panico
3
恩讐の類を超越したすれ違いすぎて、ちょっと飽きてきた2014/10/30
あきひと
2
前巻では兵馬・七之助・お松の3人は一緒に行動し助け合っていたが、本巻では同じようでいてバラバラな行動が新たな事件を引き起こしたり、巻き込まれていて、発散しまくり。近江から伊勢のあたりで停滞中。龍之介のほうはと言えば、そんなドタバタ3人とすれ違いながら、お豊との出逢いから人間らしく情が出てきたという所で、仇討ち物語りであるところの次巻以降の展開は???2023/01/18




