内容説明
ジェットコースターに轢き殺された少年。不幸な事故か?巧妙な殺人か?過去の死亡事故との関連を探るため、新聞記者サム・エヴァンズが奔走する。
著者等紹介
ブラウン,フレドリック[ブラウン,フレドリック] [Brown,Fredric]
1906‐1972。本名フレドリック・ウィリアム・ブラウン。アメリカ、オハイオ州シンシナティ生まれ。シンシナティ大学夜間部やハノーヴァー大学を中退した後、旅巡業カーニバルなどで働き、さまざまな職業を体験する。新聞社や雑誌社で校正係の仕事をしながら、1936年頃より創作活動を開始。パルプマガジンへミステリやSFの中短編を数多く書いた。47年に『シカゴ・ブルース』でアメリカ探偵作家クラブ最優秀処女長編賞を受賞し、以降、年一作に近いペースで新作長編を発表している
圭初幸恵[ケイショサチエ]
北海道大学文学部文学科卒。インターカレッジ札幌で翻訳を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
75
遊園地のジェットコースターで起こった死亡事故。その奥に隠された闇。ディープ・エンドの意味は、①プールの深いところへ飛び込む。②無鉄砲に事を始める、見境を失くす、理性を失う。『ディープ・エンド』は、これらの意味をひっくるめた内容になっている。見境を失くし、理性を失ったのは、誰か。一人だけ?それとももっとたくさん?なんとも、意味深なタイトルだ。 2020/10/17
飛鳥栄司@がんサバイバー
11
フレドリック・ブラウンにこんな隠し球が残っていたとは。主人公の考え過ぎが功を奏して、ジェットコースターに轢き殺された少年の事故は、実は殺人事件でしたということが判明する。事件の真相を追い詰めていくうちに、暴かれていく過去と犯行の動機には驚かされる。途中の主人公の心の中のもう一人の自分との会話や、妄想にも似た理詰めの部分が少ししつこい感じを受けるが、逆にユーモアを誘っていて、読者が主人公の気持ちを察する上手いテクニックになっている。強いて言えば、もう一捻り欲しい感じもなくはないが、それは欲張りというものか。2014/03/07
りふりヴ
4
通常この手の話だと犯人が主軸となり心の闇を紐解いていったりするものだけど、この話では主人公の方の内面へと向かう 離婚危機を抱え悩みながらも昔の彼女と再会し逢瀬を重ねたり、事件調査の為に軽犯罪を犯したりと境界線をいったりきたり 妄想か真相か、奥底を見つめ直し出した答えは…2022/11/02
macau3
2
これが50年前の作品とは、流石です。フレドリック・ブラウンのほとんどの作品を読んでますが、久しぶりに未読の作品を読めて嬉しかった2021/09/16
コカブ
2
夕刊紙の記者サム・エヴァンズは、妻としばしの冷却期間を取るために、1週間の休暇を別々に過ごすことにした。休暇の前日にオービー・ウェストファルという高校生が遊園地で死亡した記事の執筆を命じられ、取材に出る。結局、事件は人違いと判明し、サムの記事は出なかった。何となく引っ掛かりを感じたサムは、休暇の期間中に調査を行うことにした…。/最後に(サムにとって)メデタシメデタシの形で終わっているけど、そんなに目出度くない。絶対に後で思い出してため息をつくと思うんだけど、まあサムはそういう人物ではないのかもしれない。2014/06/22