内容説明
海外ミステリーの読みどころ、「小説推理」に連載した20年分の書評を完全収録。
目次
ラスト五行がいい!―スチュアート・ウッズ『ホワイト・カーゴ』
作中小説が素晴らしい―スティーヴン・グリーンリーフ『匿名原稿』
文句のつけようがない傑作だ!―キース・ピータースン『裁きの街』
ハイドはなぜ元気がないのか―クレイグ・トーマス『高空の標的』
妙なリアリティが充満する佳作―スチュアート・ジェイムズ『復讐するメッセンジャー』
意図が先走る小説は面白くない―ピーター・ラヴゼイ『最後の刑事』
十三年前に出た小説の文庫化―マイクル・クライトン『北人伝説』
犬好き読者はぐりぐりの◎だ―ディーン・R・クーンツ『ウォッチャーズ』
三重人格者の冒険―ジョン・R・マキシム『アベル/ベイカー/チャーリー』
この小品を愛したい―フィリップ・ケリガン『ウェザースパイ追跡』〔ほか〕
著者等紹介
北上次郎[キタガミジロウ]
1946年東京生まれ、明治大学文学部卒。1976年、椎名誠と「本の雑誌」を創刊。以降2000年12月まで発行人をつとめる。1994年に『冒険小説論』で日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
88
小説推理という雑誌に連載した、海外ミステリーの商標を上下巻に20年分を収録したものです。北上さんのミステリー解説には私は一定の評価をしていてあとがきなどで北上さんの名前が出ると安心して読んでいたものです。上巻は1993年から2002年までのもので毎月1冊で120冊分の解説があります。結構読んでいない本があり、また読みたい本が増えました。2015/10/26
天晴草紙
3
それにしてもものすごい読書量だ。これでは、昔読んだ本を忘れているのにも納得と思いつつ正直な北上さんに好感を抱いた。人物造形、ディテール、描写力、ストーリー展開などをキーワードに次から次へと傑作を紹介し、つまらないものは大御所でも斬っていく。また読みたい本が増えた。少なくとも23冊。上巻は本屋では手に入らない本が多く図書館のお世話になります。2014/03/17
よしだ まさし
2
北上次郎『極私的ミステリー年代記(上)』論創社を読了。 「小説推理」に連載している翻訳ミステリー時評の20年分を収録した分厚い上下本の前半10年分。実は、下巻の方を先に読み終えていて、上巻が後回しになってしまったのだけれど、特にどちらを先に読んでも問題はない。なにしろ、ひたすら、延々と翻訳ミステリーのレビューが続くのだ。 毎月4~5冊程度の翻訳ミステリーが取り上げられているのだけれど、4冊として1年間で48冊。10年で480冊。20年で960冊。読みながら「おっ、この小説は面白そうだぞ。機会があった2015/06/03